ペルソナ3
1985話
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もない。
だが、何故急にそのような真似をする?
最近俺達と連絡が取れなくなっていたのと関係あるのか?
ああ、でも、こうして荒垣を見つけて、1つだけいい事があるな。
連絡しようとしても、電話には一切出ずにメールでの返事のみだったから、もしかして荒垣は実は死んでいて、誰か他の奴が荒垣の携帯を使ってなりすましてるんじゃないか? と、そんな疑惑は一掃された形だ。
こうして生きて目の前にいる以上、その辺りの不安はしなくてもよくなった。
「何かあったのは間違いないだろうが……」
美鶴が気絶している荒垣を心配そうに眺める。
美鶴にしてみれば、今は別々に行動しているが、数年前までは真田と共に影時間を解決すべく一緒に行動していた仲間なのだ。
その辺りの事情を考えれば、こうして荒垣を心配する理由も十分に分かる。
「このまま病院に連れていくか? 影のゲートを使えば、手間も掛からないし」
「ふむ、そうだな。では……」
頼む。
多分、美鶴は俺に対して、そう言おうとしたのだろう。
だが、美鶴がそう言うよりも前に、事態は動いた。
「ぐっ……ぐがっ……ぬ……」
不意に、意識を失ったままの荒垣が、苦しそうに呻き声を上げたのだ。
そして、荒垣の口から漏れ出た呻き声は、最初はそこまで強いものではなかったが、次第に強くなっていく。
「が……がぁ……がああああああああああああああああああああああああっ!」
意識を失ったままの状況で叫ぶその声は、それこそ表通りの方にも聞こえているのは間違いないだろう。
「おい、荒垣! どうした!」
慌てて美鶴がそう叫ぶも、苦しむ様子を見せる荒垣が収まる様子はない。
いや、それどころか、夏にも関わらず着ている厚い服の胸元を押さえるようにして叫び続ける。
明らかに何らかの異常。
そして、俺にはその異常について心当たりがあった。
「ペルソナの暴走か!?」
そう、元々荒垣のペルソナは高い潜在能力を持つが故に、時々コントロール不能になって暴走する事があった。
だが、それはあくまでも昔の事。
もっとも、昔と言っても数ヶ月程度前の話だが。
ともあれ、荒垣が俺達と行動を共にしながらペルソナを使い始めた時は、その潜在能力の高さ故に何度か暴走した事があった。
だが、ペルソナが暴走するというのは、あくまでも荒垣の能力が低く、ペルソナの能力が高い事からくるものだ。
である以上、タルタロスの攻略を本格的に始めて以降は、荒垣本人の能力が上がった事もあり、荒垣の能力の低さからペルソナが暴走するといった事は少なくなっていった。
それこそ、荒垣が俺達と一緒にタルタロスに挑んでいた時は、既に完全に制御下に置いていたと言ってもいい。
そうであ
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