黒星団-ブラックスターズ-part6/Believe it or not?
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続けていたシュウが口を開いた。それを聞いてサイトはシュウに向けて目を見開く。
「シュウ、本気か?」
「どちらを信用するかしないかはこの際問題ではない。どちらにしろ、この事態を収めるためにも、そのバロッサ星人とやらもフーケを名乗ったあの女たちも無視できない。
それに連中に貸しをつくっておけば、舞踏会に出す分のコーヒーを受け取れるかもしれないからな」
「ちゃっかりしてるねぇ、あんた」
マチルダは、何気に救いの手を差し伸べつつも打算を混じらせたシュウを見て笑う。
「シュウ…」
ただ、テファはシュウを心配そうに見つめていた。今回の事件の裏に星人…つまり、ウルトラマンの力が必要になるかもしれない敵の存在が示唆された。もしかしたら、また彼が変身して無茶な戦いに身を乗り出すことになるかもしれない。そんな悪い予感が過る。マチルダもそんな妹分の感情を読んで表情が曇る。
「だが、万が一バロッサ星人とやらが裏で糸を引いている可能性を考慮して、平賀にも力を借りたい」
「「「!?」」」
しかし、そんな不安を的確に取り除こうとするかの如く、シュウはサイトへ協力を要請してきた。思わぬ彼の提案に、サイトとテファ、そしてマチルダが驚いて思わず彼を丸くなった目で見た。
あのシュウが、他者を頼ってきた。今までが今までなだけに驚きを禁じ得なかった。
「…俺は宇宙人と敵対した経験は皆無に等しい。だから奴らに詳しい者がいた方が、全員無事で事態の収集が可能になるはずだ」
そう言いながら、シュウは視線をマチルダとテファに向ける。これでいいんだろ?と、言葉ではなく目でそう問いてきた彼に肩をすくめながらふぅっと鼻息を漏らす。
「…ま、一人勝手に無茶をしでかすよりかはマシだね」
「姉さん、止めないの!?」
「慌てないのテファ、確かに今回、どうも厄介な事案だけど、こいつはちゃんと自分以外の誰かに頼ってきたんだ。
あたしも、今回も首を突っ込ませてもらうよ。ちゃんとシュウが無茶をしないままでいられるか見ておくためにもね」
「…本当に、大丈夫?」
どうしてもテファは、シュウに尋ねずにはいられず、拭えない不安をシュウに向けて口に出した。
「お前の望む結果になるよう努力する」
無事に5体満足でこの事件を解決できるかは保証できないが、もう以前のように無茶はしないよう心がける。そのように言われて、テファは不安を抱えながらもそれ以上は言わないことにした。実際テファも度重なる怪獣や闇の巨人の脅威の真っ只中にいて、死の恐怖等に怯えてきたからこそわかる。今回の事件は、場合によってはシュウやサイトがウルトラマンに変身してでも解決させなければならないことなのだ。
だが、だからこそ不安なのだ。たとえ無茶は控えるとは言っても、シュウとマチルダ、自分の最も近しい間柄の人間が進んで危険に身を投じ
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