黒星団-ブラックスターズ-part6/Believe it or not?
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『何?知らないだと?』
アニエスからの返答に船内のブラックもまた、思わぬ返答らしかったようで困惑を見せてきたものの、すぐに毅然とした…しかしどこか虚勢を張ったようにもとれる態度を持ち直した。
『ふ、ふん。しらばっくれても無駄だ。この星でしか産出されない豊潤なエネルギーを有する鉱石だ。その石さえあればこの船を再起動させることが可能であることもな。
いいか、期限を来週の今の時間までとする。それまでに即刻エメラル鉱石を用意することだ!』
一行は一度、魅惑の妖精亭へと集まった。その時のサイトはブラックたちへの不機嫌さに満ち溢れていた。元スタッフによって不祥事が起こったということもあって、スカロンの判断で魅惑の妖精亭はこの事件が解決を見るまでは営業休止することに決定した。
「くそ、あいつら!」
サイトは客が引き払われた妖精亭の客席にて、ブラックに投げ渡された置手紙越しに、それを拳ですり潰す勢いでテーブルにドゴッ!と拳を叩き入れた。その拍子にテーブルに同じく置かれていた水の入ったコップが倒れ、中に注がれていた水が零れ落ちてブラックの置手紙を濡らした。
(ゼロアイの次は、まさかデルフを盗まれちまうなんて!加えてジャンバードときやがった。俺ってやつはなんでこう…!)
以前はミシェルにウルトラゼロアイを盗まれてしまうという失態を犯し、今度はデルフを奪われてしまうとは。二度も大事なものを奪われてしまうという事態に、サイトは自分の甘さを呪う。
「サイト君」
ムサシが、苛立つサイトを見かねて声をかける。
「なんすか!…あ…」
呼ばれたサイトは苛立ったように言い返す。シエスタやテファは、普段の穏やかなサイトとは違うその強い気迫に圧され怯えた。ヤマワラワもウゥ…と肉食獣を相手にした野生の猿のように縮こまって怯えている。デルフを盗まれてしまったこともあり、犯人への怒りが顔に表れるくらいに滲み出ていたことで、何も悪くない彼女たちを怯えさせてしまっていた。ムサシが二人を指し示したことで、サイトもそのことにようやく気づいた。
「悪い…」
「い、いえ。あんなことがあったんですもの。仕方ないですよ」
シエスタはサイトの気持ちを汲んで、その態度を責めなかった。そんなシエスタを見て、ただでさえ今回の外出の発案はシエスタのおかげなのに、ますます気を遣わせてしまったことに申し訳ない気持ちが沸き上がる。
「サイトちゃん、ごめんなさいね。うちの元妖精さんたちが迷惑をかけちゃって…」
「私も、謝ります。サイトさんごめんなさい。私が今日お出掛け使用だなんて言ったばっかりにデルフリンガーさんが…」
だがそれはシエスタとて同じことだ。平民向け舞踏会のための出し物として巷で有名になりつつあるコーヒーの出品を提示してみせたものの、実際のところサイトと
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