黒星団-ブラックスターズ-part6/Believe it or not?
[11/11]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
習をこなしていた。これも貴族の位を得たことで国の資料室の利用が可能となったからだろう。そんなアニエスでも知らないことのようだ。
「今の話だと、アニエスさんどころか他の人たちも知らないみたいだろ。それを来週までに用意しとけとか、横暴どころじゃないぜ」
この国で認知すらまともにされてないものを要求してくるあたり、あちら側のこちらに対する理解力がやや欠如しているとも捉えられる有様に、サイトはどこか呆れたものを感じる。
「うーん。本気でこちらに要求を呑ませる気があるのか、それとも無理やりにでもこちらに難題を解決させたがるほど余裕がないのか。はたまた、彼女たちにはあると言わせるだけの確信があるのか…」
「…うぅ〜、お話長すぎ〜!リシュ疲れてきた〜!」
すると、長話に耐えかねたか、リシュが根を上げるように口を挟んできた。言われてみれば随分長々と話していた。リシュもシュウたちに連れられ、気が付けば事件が起きて蚊帳の外状態でずっと待たされ続け、さすがに疲れてしまったのだろう。幼子にしては随分我慢したと言える。実際、既に外は暗くなっていた。
「ねぇ、もう遅くなっちゃったし、今日のところはお開きにしない?リシュも疲れちゃったみたいだもの」
不貞腐れだしたリシュをなだめようと彼女の肩に手を添えたテファが、皆に向けてそう言うと、サイトたちはひとまずこの日は一度解散することになった。
その後、アニエスはジャンバードの方位を維持しつつ、ブラックが要求してきた『エメラル鉱石』の情報を求めて、アンリエッタに国で産出可能な鉱石類に詳しい者の協力の取り付けや国の資料室の使用許可を下ろしてもらうべく王城へ繰り出した。情報が不確かなものに対する要求のためとはいえ、時間がない。残存する魔法衛士隊や銃士隊がジャンバードを包囲する1週間の間、可能な限り情報を集め、鉱石のありかを突き止める。サイトたちも手伝うべきか頭をよぎったものの、サイトの場合はあくまでシエスタのお願いを果たすために来た身で、主であるルイズが不在の状態でこの街に着た。ほいほいとアニエスの仕事の手伝いで国の貴族しか入ることが許されない場所へ踏み入るわけにいかない。シュウもリシュやテファを放っておくわけにもいかないし、ブラックたちやその背後にいるであろうバロッサ星人対策のため、サイト共々待機。マチルダに至っては、本物のフーケである以上同様だ。ムサシもこの国では位を持たない身だから以下同文。
この日はスカロンの好意で、宿を取らせてもらう形で一同はトリスタニアで一夜を明かすことになった。
(待ってろよデルフ…必ずお前を取り戻す)
宵闇に満ちたトリスタニアの街を照らす双月を見上げながら、サイトは相棒であるデルフを取り戻すべく、明日に備えて休むのだった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ