相談-コンサルテイション-/part1
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で着いて行った。ついでに、またデルフが拗ねる気がするので、デルフも携える。既に夜だったからか、中庭は双月の光で照らされていた。
「ここなら良いかな」
ガレットが立ち止まったところで、サイトは口を開いた。
「お前喋れたのかよ?」
「まあね。これもお嬢との契約のお陰だよ。君の言う通り、お嬢のマスコットである俺が、こんなかわいい見た目で中年男の声なんて出すわけにいかないよ。乙女心に傷がついちゃう。だからお嬢も俺が喋れることは知らないし、女の子がいる前では元々の鳴き声を出すようにしてるのさ」
乙女心って…なんか突っ込みたくなる。まぁ、ガレットの可愛さにはルイズやハルナ、そしてティファニアもやられている。彼女たちも驚くだろうな。しかも紳士的な配慮ができるとは、知能が人間並みに高いようだ。
「ところで、俺に話があるんだったろ?」
「ああ、そうだよ。なんかサイト君たち、何か学院でやるつもりみたいだね?どうもお嬢のためでもあるみたいとか言ってたけど、どういうことだい?」
「実は…」
サイトは、孤立しがちなクリスのために、そして最近の怪獣災害が原因で欠席者が続出する魔法学院の休校を防ぐべく、自分たちをはじめとした、まだ通っている生徒たちの手で、学校行事を行おうとしていることを明かした。そしてその準備の際には、シュウとテファにも手伝わせ、少しでも時間をもて余している二人に、最近感じられなかった楽しい日常を与えようと考えていることも話した。
「なるほどねぇ、うちのお嬢だけじゃなく、お友達のカップルのため、そして学院の生徒たちのことを考えて…君はいい子だね。さすがお嬢が見込んだ侍だ。実にすばらしい!」
「いや、そんな…俺だけじゃ何も思いつかなかったよ。ある人(ムサシ)のおかげでもあるんだ」
声のせいか、まるで人生の先輩から褒められているようにも聞こえる。それを抜いてもサイトは褒められて少し照れくさくなる。しかし、さらりとシュウとテファをカップル呼ばわりしている。あの二人が…?サイトはそれはどうだろうと微妙な気持ちで疑惑した。テファは美貌、スタイル共に抜群の美少女だが、どうもシュウが堅すぎる性格だから想像できない。
「ただねぇ…」
すると、ガレットは少し悩むように声を低くして言い始める。
「お嬢のことを心配してくれるサイト君だから話すんだけど…実はお嬢、この魔法学院に来たのは留学目的じゃないんだ」
「え?それってどういうことだ?」
留学するために来たのではない?サイトは当惑する。
「表向きは留学生ってことになってるし、せっかくの機会だからお嬢自身も勉強を目的としていることも確かだ。トリステインだからこそ学べること、そして何度も怪獣災害やレコンキスタの侵略に耐え続ける国の状況を知るため…でもそれらはあくまでついで。
本当の理由は別にあるんだ。お嬢は
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