相談-コンサルテイション-/part1
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と…簡単に言えば、現世に降りてきた死んだ人々の魂を迎える時に備えて、彼らを真似てお化けや悪魔の仮装をして、お菓子や飲み物を用意するんです。今では仮装とお菓子の交換を楽しむこと自体を目的とした伝統行事となってるんですよ」
「まぁそういうことだ」
簡潔に纏めてくれたハルナに感謝しつつ、自分のハロウィンにまつわる話を続ける。
「幽霊や悪魔に化ける?そんな祭りがあるの、あんたたちの世界って」
「考えたこともないな。そんな行事があるのか…?」
ブリミル教と言う、異なる宗教を国教とし、貴族と言う高い身分の出身ということもあるのだろう。まさか自ら邪な存在に仮装するだなんて、ハルケギニアの貴族であるルイズたちには信じられないと言った反応であった。憧れの師匠が妖魔退治を生業としていたこともあって、侍ガールであるクリスにとっても考えもしなかったことであった。
「俺の学校…アカデミーは特殊でな。ビースト対策を優先するべき組織の管轄下にあるため、本来ならアメリカの一般のそれとも違って学校行事は一切しない。あると言えば研究発表会くらいだ。でも以前、一度だけ特例として開催が許されたことがあって、それきりだったな」
シュウがかつて生活していたTLT管轄のアカデミー。あそこは娯楽が何もないわけではないが、日本の学校のようなイベントは本来一切行っていない。余暇の時間にバドミントンなどのスポーツをしているのを見かけたことはあるのだが…ビーストに対抗できる人材を確保するためとか、人類の求める謎を解明することを望まれていたため、娯楽に興じる姿勢を強く求められていなかった。
「研究って…もしかして、相当のエリート!?」
目を見開くサイトに、シュウは「さあな」と一言返した。
「それでどうだ?参考程度にはなるか?」
「だめ」
シュウが参考になるかどうか問うと、即座に思わぬほうから反対が飛んで来た。その反対意見を出してきたのは、タバサであった。
「ハロウィン反対。私は嫌」
「え、えっと…珍しいわね。あなたのことだから、どうでもよさげな認識だと思ってたけど」
モンモランシーは、タバサは大概賛成意見以外は興味を示さないという感じであったが、ここまで強い意志を持って反対意見を出すというのは珍しく思った。
「べ…別に、仮装するのが面倒なだけ」
指摘を受けたタバサはというと、一瞬だけびくっと身が震えたのだが、それをサイトは見逃さなかった。
「…あ、ははーん、ひょっとしてタバサ。お前って」
「…何?」
妙に意地の悪い笑みを浮かべるサイトに、タバサは面倒なのに絡まれたとばかりの嫌そうな顔を浮かべていた。
「苦手だろぉ?お化け。ってかホラー系の類とか」
「…っ!違う…」
一瞬喉の奥が詰まった。そんなタバサにサイトはやっぱり!と確信を得て口角を吊り上げた。
「え〜ほんとかよ?
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