十一日目
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…ぱ…パパ…ん………さん…トー…
「う…」
あれ…?転移エフェクトで…どうなった?
「トードさん!」
目を開けるとユイちゃんがいた。
え?
「ユイ…ちゃん?」
でかくなってる…
「はい、私ですよ?」
あっれぇー?
「え?ユイちゃんって…え?プライベートピクシーじゃないの?」
え?どういう事?
「トードさん、その事は後回しです…
パパ!起きてください!パパ!」
ユイちゃん隣で倒れているキリトを揺すっている…
あぁ…なるほど…
「ユイちゃん、少しそっとしといてやれ。
多分さっきの転移エフェクトのせいだ」
人が気絶する程の光信号…本来ならロックがかかる筈だが…
「ですがママが!」
ママ?お姫様の事か?
「ったく…しゃぁねぇな…」
俺は仰向けに倒れているキリトをうつ伏せにした後抱き上げた。
「トードさん?」
「なぁに、この寝坊助を起こすだけだ…」
キリトの腰に手を回し…
「フン!」
思いっきり上体を反らした。
「イデェェェェ!」
よし、起きたな。
「頭がっ!」
「うるせぇぞ寝坊助」
「だからってバックドロップは無いだろ!?」
「知るか」
さてと…
「キリト、お姫様を探すぞ」
「ああ、わかってる」
「俺としても、世界樹の真実には興味がある。
お姫様が閉じ込められている理由…
そこに真実に繋がる何かが有ると見ている」
「そうか…。ユイ、アスナのアカウントはどこにあるか解るか?」
「えっと……あっちです!」
少し考える素振りを見せ、通路の先を指差した。
「トード…行くぞ」
「ああ」
俺達三人は通路を走り出した。
「やぁ…君達…こんな所に何の用だい?」
突然横から聞こえた声に、俺とキリトはユイちゃんを守るように構える。
カーソルは無い。
ここに転移した時からカーソル等の一部の表示が消えている。
「…………テメェ…プレイヤーか?」
俺が問いかける。
「ん?あぁ、プレイヤーだとも」
しかしそいつは今まで戦っていたガーディアンと似た鎧を纏っていた。
「おい、トード?」
「俺が知るか」
キリトと問答した刹那。
「ヒィィィィヤッハァァァァァァ!」
奴は奇声を上げて俺達に斬りかかった。
「キリト!」
「ああ!」
俺が剣を受け、キリトはユイちゃんを抱いて後退する。
「オイオイオイオイオイ!なーに逃げてんだよ…黒の剣士ぃ!」
黒の剣士?
「…っ!」
キリトが目を見開いた。
「なんだなんだ!へたれちまったのかぁ!?」
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