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相談役毒蛙の日常
十日目
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鬼神の如き勢いでガーディアンを斬っていった。

しかし俺とて負ける訳にはいかない…

キリトの横から狙うガーディアンを、近付けさせないよう大剣を振り回す。

やがて…

「抜けた!」

ガーディアンの層を突破した。

その天井には、十字に閉ざされた扉…

「キリト!」

「ああ!」

扉に向かって羽ばたく。

やがて、重力が逆転した。

地に…否、天井に足を着ける。

「さぁ…コレで…」

しかし、扉は開かなかった。

「どういう事だトード!?」

「俺が知るかよ!?」

クソっ!何故だ!何故開かない!?

何かキーアイテムが必要なのか!?

世界樹関連クエストはもう一年前に全て洗った!

いったい何が…

「パパ!トードさん!」

キリトの胸ポケットからプライベートピクシーのユイちゃんが現れた。

「この扉はシステム的にロックされています!」

「何だって!?」

と驚くキリト…

そして、俺はやはり自らの仮説が正しかったと悟った。

「やはりか…このゲームはクリアさせる気は無かったのか…」

「どういう意味ですかトードさん?」

「前々から、一部のプレイヤーの間噂されていた事さ…
このゲームはクリアさせる気は無いってね」

「そんなバカな!?」

昨日のイクシード…

そこで俺が再度提唱した説。

"このゲームはプレイヤーを世界樹に侵入させるつもりはない。
何故なら世界樹上部では非合法なVRテクノロジーの実験が行われているから"

実験云々はさておき、『世界樹の上には、ゲームではない何かがある』というのがイクシードの見解だ…

そんな事を話している内に、ガーディアンが生まれていた。

「くそっ…ユイ!何か手は無いのか!」

「なにか…システムにアクセス出来る物があれば…」

そんなものをプレイヤーが持っている訳…

「ユイ!コレを使えるか!?」

キリトがポケットから取り出したのは黒いカードだった。

「行けます!これを使えばシステムにアクセス出来ます!」

なんでそんなもの持ってるんだ…

ユイちゃんがカードを受け取ると、黒一色だったカードに電子基盤の紋様が浮かび、転移エフェクトが生まれた。

「転移します!パパ!」

ユイちゃんがキリトを呼び…

「トード!」

ガシッ

っと、キリトに腕を捕まれた。

「え?」

「お前も来い!」

キリトとユイちゃんの指先が触れ…

俺達は光に包まれた。


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