120 攻撃(いじめ)
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。急いで教材とリコーダーを出し、教室を出た途端、「何すんの!?」という声が聞こえた。これは間違いなく堀の声だった。みどりは駆け付けると、堀は4組の栄張と対面していた。
「何って挨拶の代わりだヨ!」
「そんな挨拶あるの?」
「るせえナ!!」
栄張は堀の腕を掴むと彼女の後頭部を手の甲で殴った。そして壁に叩きつけて手を離した。みどりは思わずに声を掛けた。
「ちょっと、堀さんが何かしたんですか!?」
「るせえナ、挨拶の代わりに決まってんだロ!」
栄張はそのまま自分のクラスの教室へと帰った。みどりは堀の元へと寄る。
「堀さん、大丈夫ですか!?」
「う、うん・・・」
「最低ですね!あんなの!」
みどりは堀と共に音楽室へと向かって行った。
みどりは自分のクラスの学級委員である倉山と西原に堀が挨拶の代わりとして栄張から殴られたことを報告した。
「何だと!?落書きといい、その暴力といい、何かあるぞ・・・」
「倉山君、とにかく帰りは堀さんと一緒に行動させた方がいいんじゃない?このままだと危ないわ」
「そうだな」
音楽の授業の終了後、倉山と西原はみどり、堀と共に教室へ戻る事にした。
堀を一人にするのは危険と見たため、みどりはクラスメイトの女子達と帰る事になった。
「それにしても酷いわね!一体何の恨みがあるのかしら!」
日山が怒りをぶつけていた。
「堀さんは嫌な事するように見えないのにね・・・」
桐畑も堀に同情した。みどりは嘗て泣き虫で独りぼっちだった頃の自分を思い出した。転校してきた当初の堀は初めて自分の学校の友達になってくれ、泣き虫を治すと共に、クラスに馴染めるよう手を差し伸べてくれた。
(あの時の私は堀さんに助けられていた・・・。今度は私がこの手で堀さんを助けないと!)
みどりは堀をいじめから救う事を決意した。
阪手はクラスメイトの都島明奈と深江ひとみに3組の教室を確認させた。
「誰も居なかった?」
「うん」
「じゃあ、やるか!懲らしめてやるぞ!」
翌日、3組は体育の授業のため、体操着に着替えていた。堀が体操着を入れている袋を開けて体操着を取り出すと、悲鳴をあげた。
「キャーーー!!」
「ど、どうしたんですか!?」
みどりは驚いた。
「私の体操着が・・・」
堀は椅子に座り、手で顔を覆った。
「体操着ですか・・・?」
みどりが堀の体操着を見た。堀の体操着はハサミかカッターを入れられたようで上衣もブルマもあちこち切り裂かれていた。皆が集まって来た。皆もまた驚くしかできなかった。
「こんなの酷すぎるぜ!」
「やりすぎよ、これ!」
みどりは怒りがこみ上がった。
(ゆ、許せない・・・。こんなの最低だわ・・・。残酷だわ・・・!!)
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