ペルソナ3
1984話
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おく。
美鶴の、俺を見る視線が喜びに満ちていたというのも大きいだろうし。
「そうか! いや、この時期にアクセルを誘うのもどうかと思っていたのだが……喜んで貰えて何よりだ。ん? すまない、ちょっとあの店を見てもいいか?」
そう言いながら、美鶴は少し離れた場所にある服屋に向かう。
女が服屋に向かうというのは、男にとっては非常に退屈な時間になる……のが普通なのだが、そこは美鶴。
本人が口にした通り、ちょっと店の前に飾られている服を見るとこちらに戻ってくる。
その表情が少し残念そうな様子なのを見て、疑問に思う。
「どうした? 何か買いたい服でもあったんじゃないのか?」
「……いや、ああいう系統の服は私には似合わないからな」
そう言っている美鶴の視線の先にあるのは、いわゆる清楚系と表現されるべき服。
いやまぁ、元々ファッションとかに詳しくない俺だけに、もしかしたら違うのかもしれないが、取りあえずそんな風に見える服。
その服を着ているマネキンを見て、続けて美鶴を見て、再度マネキンを見る。
「そうか? こうして見ると、あの服は美鶴にも十分似合うと思うけど。……ハイレグアーマーを勧める俺が言うのもなんだけど」
「ありがとう、と言うべきか。最後の一言がなければ、もっと素直に喜べたのだがな」
憮然とした様子で……それでいながら、どこか嬉しさを隠すことが出来ないような感じで告げる美鶴の様子に、俺は笑みを浮かべる。
実際、年齢以上に見られる美鶴の容姿だが、だからといって、それでああいう清楚系の服が似合わないという事はない。
寧ろ、美鶴だからこそ、そういう服が似合う……と、そう思うのは、俺だけではないだろう。
マネキンが被っている麦わら帽子とか、そういうのも美鶴には似合ってると思うし。
そう告げると、何故か美鶴の顔が赤く染まる。……照れたか?
「ば、ば、馬鹿を言うな! 私にああいうのが、似合う筈がないだろう!」
「そうか? 美鶴にもああいう服装は似合うと思うけどな」
照れる美鶴ってのも、かなり珍しいな。
そう思いつつ、別に俺が口にしているのはお世辞でも何でもない。
実際大人っぽい容姿をしている美鶴だが、だからといって清楚系の服装が似合わないという事もないだろう。……同時に、大人っぽいからこそハイレグアーマーとかも似合うと思うんだが、それはそれってことにしておいた方がいいらしい。
「……本当にそう思うか?」
「ああ」
恐る恐るといった様子で尋ねてくる美鶴に、一切の躊躇なく頷く。
今までの経験から考えると、こういう時、下手に誤魔化すような仕草をした場合、それは相手にとって本当に俺がそう思っているのか? と疑問に思ってしまう事になる。
レモンを始めとした恋人
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