ペルソナ3
1984話
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いつくだけでも普通に考えれば1つこなすだけで難しい役職を3つも兼任しているのだ。……桐条グループ令嬢というのは役職とは言えないかもしれないが。
ともあれ、そんな美鶴だけに友人と言えばそこまで多くはない。
ましてや、美鶴の性格や容姿から憧れの視線を向けられる事も多く、それこそ同学年の生徒や……場合によっては大学生からもお姉様呼ばわりされているというのを聞いた事がある。
いや、美鶴の容姿を考えれば、そんな風になってもおかしくはないんだけどな。
そんな美鶴だけに、他人を誘うというのは難しい。
特に今は3年の連中にとっては、受験における最大の山場だ。こんな時期に映画祭りに誘われても、殆どが迷惑にしか思われない筈だ。
……受験生という意味では美鶴も同じなのだが、美鶴の場合は推薦を狙っているのか、それとも受験をするのか分からないが、それでもどうとでもなるだけの実績の成績があるから、その辺は気にしなくてもいいんだろう。
大学に行って対シャドウ機関とでも言うべきものを作るという目的を持っている今の美鶴は、心身共に充実しているといえる。
影時間をどうにかする為に、残るイレギュラーシャドウが残り4匹というのも大きいだろう。
そんな美鶴だったが……まぁ、だからこそと言ってもいいが、息抜きをするにも気軽に誘える友人がいないというのは、結構問題な気がする。
もっとも、美鶴に友人が全くいないという訳ではない。
「真田はどうしたんだ?」
美鶴の長年の友人たる真田の名前を出すが、それに返ってきたのは苦笑。
「あの明彦が、2時間も黙っていられると思うか?」
「あー……うん、そうだな。聞いた俺が馬鹿だった」
真田の性格を考えれば、とてもではないがそんな真似が出来るとは思えない。
それどころか、映画を見ている途中で身体を動かしたくなったと言って、映画館から飛び出すような真似をしても、驚く事はないと思う。
「その……もしかして、迷惑だったか?」
「いや、そんな事はない」
少しだけ申し訳なさそうにして尋ねてくる美鶴に対し、俺は即座に首を横に振って否定する。
事実、美鶴の誘いを迷惑と思っている訳ではない。
……それ以前に、美鶴に誘われて映画祭りに行ったのを迷惑だと言えば、嫉妬の視線をこっちに向けている男達にどんな目に遭わされるのやら。
勿論直接的な被害をどうこうって訳ではないが、そう思う気持ちも分からないではないし。
「今までにも何度か美鶴と遊びに行った事はあっただろ。誘うのを躊躇うような真似、今更いらないと思うぞ」
出来れば、次は映画祭りではなく他のにして欲しいところだが。
映画はレンタルで見る派の俺としては、そうつけ加えたくなったが、取りあえずそれはそれ、これはこれという事にして
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