魔法少女にさよならを
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息が上がり立っていることもできないほどウルティア。そんな彼女たちを見てウェンディは全てを察した。
「まさか・・・」
ウェンディが戦っている最中、シェリアはウルティアにずっと懇願し続けていた。妖精の尻尾の戦いはまだ終わっていない、ウェンディの力は今後も必ず必要になると。彼女の強い想いを汲み取ったウルティアは、少女に秘術をかけたのだ。
「そんな・・・」
起きてほしくなかった事態に涙を堪えきれない。シェリアは拳を握ると、目の前の脅威に立ち向かう。
「あたしのラストステージ。最高の気分だよ。親友のために戦えるなんて!!」
「何!?」
シェリアの拳にダメージを受けたディマリア。神である自分に触れているはずなのに、相手に一切のダメージが跳ね返っていないことに動揺を隠しきれない様子。
シェリアは体勢が崩れた相手にアッパーパンチを喰らわせさらに追い込んでいく。
「人間が神に抗うなど!!」
「くっ!!」
負けるはずがないと躍起になるディマリア。だが、シェリアの猛攻は止まらなかった。
「あなたはきっと悪い神様!!いい神様ならもっと人を“愛”せると思う!!あたしの魔法はね、悪い神様を倒す魔法なの!!」
「滅神魔法!?ハッタリじゃなかったの!?」
シェリアの神を滅する魔法にゴッドソウルが解けかかってくるディマリア。追い詰められた彼女は一か八かの賭けに出た。
「おのれぇぇぇぇ!!」
自分の魔力を全て込めた一撃。それは見事に命中したが、シェリアは倒されることはなかった。
「バカな・・・!!私の全力の攻撃が・・・!!」
なぜ自分の攻撃を耐えきれたのかと彼女は後ろを見ると、ウェンディが魔法陣を展開していた。
「付加魔法!?」
ウェンディの付加魔法により最小限のダメージで済んだシェリアはボロボロになりながらも立ち上がる。彼女の頭の中では、これまでの楽しい思い出が巡りめぐっていた。
(何をやってもドジばかりのあたしが一つだけ得意だったこと。それが魔法だった。魔法がたくさんの出会いをくれた。あたしは魔法が大好き、これからもそれは変わらない)
「シェリア・・・」
たくさんの人の顔が脳裏を過る。シェリアは両手を高々と上げ、それを開く。すると、黒い羽のような魔力が彼女を取り巻いた。
(変わらないけど・・・あたしは普通の女の子に戻るんだ。これがあたしの最後の魔法)
体内にある全ての魔力を駆使して放つ全身全霊の一撃。それを後ろから見つめる少女の目からは、大粒の涙が溢れる。
「私はずっと・・・ずっと友達だから・・・」
「わかってる」
泣きじゃくる親友の声に思わず笑ってしまう。彼女は目の前の敵に、渾身の一撃を喰らわせる。
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