魔法少女にさよならを
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来ない。ここは戦場なのだから。
「何をもめておるか」
大地を蹴って突進してくるディマリア。それを見てウェンディはシェリアを突き飛ばす。
「来た!!急いでください!!」
「あ」
「行くわよ、ウェンディ!!」
水晶から放たれた強い魔力。それを受けたウェンディはドラゴンフォースを解放した。
「・・・」
「絶対勝つから」
やってほしくなかった選択に言葉を失うシェリア。ウェンディは自らの最後の戦いとなるであろうバトルに繰り出す。
「天竜の鉤爪!!」
先制の蹴りが繰り出されるがディマリアはそれをあっさりと受け止める。
「かしこみ申せ。我は時を司る神なるぞ。時がその体に刻まれた痛みを思い出す」
その瞬間少女の体に走る激痛。その痛みに彼女は悲鳴を上げた。
「アージュ・スクラッチ」
「あああああああ!!(何・・・これ・・・!!全身が痛い)」
今まで彼女が受けてきたダメージを呼び起こす魔法。その痛みはこれまでのどれよりも大きい。
「お願い!!ウェンディを止めて!!あの子にはまだ魔法が必要なの!!」
ウェンディが戦っているそんな時、涙ながらに黒髪の女性へと声を荒げているシェリア。その最中もウェンディは自らの力を振り絞ろうとしていた。
(だけど私には・・・第三魔法源がある!!)
痛みに耐えながら放った拳。それは敵の顔面を直撃したが、一切のダメージを与えることができていなかった。
「まだわからぬのか。人が神に触れるという愚行の行く先が」
彼女に触れた左の手が焼けるような激痛に襲われる。少女はそれに絶叫すると、神は容赦なく彼女の足を打ち抜いた。
(なんで・・・?なんで力がでないの!?)
思ったほど強化されていないこともあり痛みと苛立ちが込み上げてくる。
(第三魔法源をまだ解放しきれてない!?)
「貫け、時の彼方へ」
ディマリアの指から放たれたレーザー。それは一直線に少女へと向かっていく。
(動いて・・・動いて!!私の体!!)
このまま何もできないのかと思われたその時、レーザーを払い除ける天空の神。
「シェリア?」
「間に・・・あった・・・わ・・・」
もう時間がないのか全身がボロボロになっているウルティア。しかしウェンディはそれよりも、目の前にいる友人の変わりように衝撃を受けている。
「後は任せてウェンディ。絶対勝つから」
「え?」
「ごめんね、あたしに秘術をかけるまでの時間稼ぎにしちゃって」
自分よりわずかに背が高いほどだったはずのシェリアの体は、大人のそれと変わらないほど大きくなっていた。
「ウルティアさん!?」
「シェリアの覚悟も本物だった・・・」
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