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獣篇U
10 男の嫉妬は見れたもんじゃない。
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_「銀さんんんッ!皆ァァァッ!」

晴太くんが絶叫する。


_「やり過ぎたかねェ…五月蝿いジイさんらにドヤされそうだ。」


_「晴太くんは?皆は無事なの?」

私が問うと、神威は答えた。

_「大丈夫だヨ。鳳仙の旦那はこんな街より花魁サマにご執心だ。」

_「え? 」

_「この子を連れていけば、機嫌もなおる。それに、これくらいやらなきゃ死ぬヤツじゃないんでネ。」

神楽ちゃんのことだよね?

_「ん?知り合いでもいたかァ?」

_「イヤ、もう関係ないや。」




落ち合った私たちは、鳳仙の部屋に向かった。

_「これはこれは珍しいご客人で。
春雨が第七師団団長、神威殿」

_「ん〜…やっぱり地球のゴハンはおいしいネェ、鳳仙の旦那ァ?」

_「春雨の雷颯(らいそう)と畏れられる第七師団。若くしてその長にまで上り詰めた貴殿が、こんな下錢なところに何のご用ですかな?」

_「人が悪いですよ、鳳仙の旦那ァ。第七師団造ったのは旦那でしょ?めんどくさいこと全部オレに押し付けて、自分だけこんなところで悠々自適に隠居生活なんて、ズルいですよ。」

_「人は老いれば、身も心も渇く。その身を潤すは酒、心を潤すは女よ。
フフン)若い主には分からんか?」

_「いえ、分かりますヨ。」

ヘェ、マジか。
今は男の顔に化けているが、どこまで持つか、少し心配だ。


_「ほォ…しばらく会わぬ内に飯以外の味も覚えたか。
  …フフフフフ)

酒か?女か?言え。」

_「じゃあ…日輪と一晩。手土産もこの通り用意してあるんです。きっと喜んでサービスしてくれるでしょ?」

_「…」


いや、普通そこは嫌だろ。汗)


_「イヤですか?日輪を誰かに取られたり汚されるのは…イヤですか?
この子に日輪を連れ去られるのは…イヤですか?日輪と離れるのは。」

_「少し、黙るがいいこの…」


ヤバい、このままでは拐われている晴太くんが危険である。

_「ハハハハハ)
歳は取りたくないもんですねェ。あの夜王鳳仙ともあろう者が、たった一人の女すらどうにもならない。女は地獄、男は天国の吉原。…いや違う、ここは旦那ァ、あながあなたのたまだけに造った天国。」


その隙に、思いっきり襖の近くに避難した。

_「神威。黙れと言っている。」

_「誰にも相手にされない哀れなおじいさんが、かわいい人形たちを自分の元に繋ぎ止めておくための牢獄。」

_「聞こえぬのか、神威?」

_「酒に酔う男は絵にもなりますが、女に酔う男は見れたもんじゃなきですな。エロジジイ?」


攻撃がきた。

_「フフフ
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