9 無線は、聞きたくない音まで拾うようにできている。
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_「いえ、どうやらその浪人、日輪に会おうとしているのではなく、あの童に雇われた者らしく。」
_「日輪を会おうと息巻いてウロウロしていたあの童、か…。
せんなきこととしておいたが、やはりあの童、は…」
これも、さっき聞いた情報である。
_「調べましたところ、間違いないようです。8年前のあの童でございます。」
_「フフン)そうか…。
どこぞで野垂れ死んだものと思っていたが…まさか日輪の匂いを嗅ぎ付けてここまでやって来るとは…。」
_「日輪とあの童を接触させるのは危険です。」
まァ、そのくらい言っておくか。
_「またヤツを連れ、ここから逃げるもしれん、と…?逃がしはせんさァ。もうに二度と、日輪は地上で生きていくには地下を知りすぎた。あの女は死ぬまで常世にいてもらわねばならん。月詠を使え…いかなる手練れだとて、あれには勝てまい。
その童と浪人、生かして地上に帰すな。」
よし、頭の名前は月詠というんだな。
参考になった。
もうしばらくしたら、神威たちがこかに来るはずなので、ここいらで失礼しておうことにした。
_「では、また情報を仕入れ次第、こちらに参りんす。」
と言って、その場を去った。
そこから空いてる部屋に戻り、急いでバッグを開けてヅラと仮面を付けて、神威に連絡をとる。
どうやら今は、パイプのところにいるらしい。聞こえてくる無線を聞きながら部屋にスタンバっている。
何やら声が聞こえてきた。
_「あァ?…オイ、過分な心遣い痛み入るだねェ、どうやらもう手遅れらしいぜ?」
_「傘…!?まさか…、あれ!?
あれは…あの傘は…!夜兎。
なんで?なんでこんなところに夜兎族が!?」
神楽ちゃんの声だ。
_「どうやら、せっかく用意してくれたアンタの逃げ道も、手か廻ってたようだぜ?」
_「違う、」
と、月詠の声がする。
_「あれは鳳仙の回し者じゃない。あれは…」
_「ガキをよこせ。」
と、阿伏兎の声がする。
_「そのガキをこちらによこせ。」
_「銀ちゃん…ヤバいアル。アイツ、飛びきりヤバい臭いがするアル。血の臭い…幾多の戦場を生き抜き染み込んできた血の臭い…。本物の、夜兎の臭い。なんで?こんなところに…」
クナイの音がしたが、どうやら阿伏兎は無事なようだ。
_「早く、今のうちに!逃げろッ!」
爆発音がする。
_「下からッ!」
再び爆発音がすると共に、神楽ちゃんの叫びが聞こえる。
_「銀ちゃんんんッ!」
_「クソ、離せェェッ!」
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