7 世の中は、どうやら正負の法則で回っているようだ。
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度を済ませてから道具をしまい、百華の格好で階段から降りてくる。見回りしている風に歩いていると会話が聞こえてきた。
_「そういやァ、近頃とんと見かけなくなったな。あの小汚ねェ餓鬼はどうしたんだィ?」
_「あァ、晴太のことかィ?」
_「そうそう。日輪に会う、って毎日毎日小銭握りしめてお前んとこ来てたァ、汚ねェ餓鬼だよ。」
_「あァ…それが最近どうも、ちゃんとした奉公先が決まったらしくてなァ、」
_「へェ!あんな餓鬼雇ってくれるとこ、あったのかよ!?」
_「あァ。物好きがいたもんだよ。
毎日来ることはなくなったが、相変わらず週一くらいでやってくるぜェ?金まとめて持って…えらいもんでな。以前はあんな小汚ねェ野良犬みたいな面してやがったんだが。最近はすっかり小綺麗になっちまって。心なしか表情も、子どもらしく柔らかくなったわァ。」
ヘェ、晴太、ねェ…。
煙管を咥えてながら話に耳を傾けた。
_「へェ?そうかい。
で?いくら貯まったんだィ?」
_「え?何が?」
_「何が、って、晴太が毎日持ってきてた金だよ。毎日毎日日輪を文字通り太陽のように拝んでたんだァ。茶くらい一緒に飲む金は、できたんだろ?
…まさか、おめェさん…」
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