10 どす黒い陰謀
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父を担ぎ出し、今なお魔界から闇の気が流れだしお山を覆っている」
(なるほど、この気持ち悪い気がそのせいか)
日光の言葉をいち早く感じていたのは、鬼丸だった。
「それで、日光様、我々にどうしろというのですか?」
孔雀はおおよそ何をするのかは、気づき始めていた。が、自分の予想を確認するために日光に問うた。
「お前の察しのとおりだ、孔雀」
日光もまた孔雀の心情を察していた。
「でもさぁ、日光様。孔雀てば、霊能力もなければ術も使えないよ、どうするの?」
「それは大丈夫よ、阿修羅。私に考えあります」
阿修羅の問いに月読が答えた。
「その考えっていうのは、なんなんですか?月読様」
すぐさま月読に孔雀は聞いた。
「兄上と私の霊力を孔雀様に少し分け与えるのです」
月読はにっこりとほほ笑んで孔雀に言った。
「そんなことが可能なのですか?月読様」
孔雀は眼を見開いて月読に言った。
「俺と月読だからこそ出来る技なのだ」
日光が月読に変わって言った。そして、月読も軽くうなずいた。
「だが、日光とあんたの力を孔雀に与えるということに問題はないのか?例えば、日光とあんたの力が弱まるとか」
鬼丸は柄にもなく日光と月読の事を心配しているようだった。
「それは心配には及びませんよ、鬼丸さん」
月読は鬼丸に微笑んだ。
「もともと、孔雀様は光と闇の心をお持ちになるお方。月光菩薩の私を媒介にすれば兄上の日光菩薩の力と私の力を分け与えたとしても全く問題ないのです」
「そんなもんかねぇ」
鬼丸は月読から顔をそむけて言った。
「はは、鬼丸、何照れてんの」
阿修羅は鬼丸の横腹を軽く小突いた。が、何も言わず鬼丸は阿修羅の頭を拳骨でたたいた。
「い、いったぁーーい!!なにすんのよ!!」
「お前がうるさいからだよ、馬鹿」
「全くうるさいことよ」
鬼丸と阿修羅のやり取りを見ていた日光はため息をつきつぶやいた。
「ですが、月読様。俺の神通力が復活すると言っても、どの程度のものなんですか?」
孔雀もまた二人のやり取りなぞ気にすることなく、月読に聞いた。
「そうですね。必殺の孔雀明王呪でいえば2回くらいでしょうか」
「2回ですか」
「はい、申し訳ありませんが」
孔雀の思案顔を見て月読は申し訳ないように謝った。
「いいえ。大丈夫ですよ、月読様。なんとかなります。こっちには、頼りになる仲間がいますから」
孔雀はにっこりと微笑んだ。
「おっ、いいこというじゃねぇか、孔雀。お前からそんな言葉をきくとはおもわなかったぜ」
鬼丸はにやりと微笑んで孔雀の肩を軽く小突いた。
「そうよ、孔雀。私に任せてよ」
阿修羅も胸を張った。
「お前は足を引っ張るなよ、阿修羅」
阿修羅に皮肉り大きく笑った。
「ひ、ひどぉーい
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