10 どす黒い陰謀
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を上げた。
「残念ながら本当の事です」
月読は目を伏せて答えた。
「星見の星海殿の報告もあった」
日光は月読の後に続けて言った。
「じょ、冗談じゃねぇ。また、あいつにかかわるのはごめんだぜ」
鬼丸は立ち上がり席を外そうとした。
「待てよ、鬼丸。なんで黄幡星が復活したのか事情を聞いた後でも遅くないだろう」
「そうよ。もう、おじいちゃんから貰ったお金もつかっちゃんでしょ?」
孔雀に続いて阿修羅も鬼丸を引き留めた。
「ちっ、わかったよ。聞かせてもらおうじゃないか、日光さんよ」
鬼丸は再びどっかりと座って日光を見据えた。が、日光は苦虫をつぶしたような表情で腕を組んで黙りこんでしまった。
「兄上、私から説明いたしましょうか」
月読は目が見えない分、人の空気が読める。ゆえに、日光の迷いを感じとったのだった。
「あの鳳凰の乱により空海お上人の封印が解けてしまったのは、みなさんの知っての通りです」
月読はゆっくり話し始めた。
鳳凰の乱とは、孔雀と同じく真言を唱え魔を退治することを生業とした退魔師の一人である鳳凰という人物が、地獄の魔物達を人間界に放出させ、まだ未熟な弥勒菩薩を消滅させようと企てた事件の事である。そして、その企てに必要だった要因が裏高野奥の院にあった空海の即身仏。
鳳凰はまんまと企てに成功したかに見えたが、孔雀との決戦に敗れ企てが失敗に終わったのだった。だが、この事件を発端にしてアルマゲドンへと突き進んでいったのだった。
「そして、空海お上人の代わりに私たちの父・前座主の薬師大医王が魔の封印となるべく即身仏となる事になったのですが・・・・・・」
月読は言葉を飲み込みため息を一つついた。
「もうよい、月読。そこからは私が話そう」
日光が言葉を続けようとした月読を制し話始めた。
「お前たちは知らないだろうが、ここ裏高野は未だ安定はしておらんのだ」
「え?どういうことなのですか?」
日光の言葉に孔雀は反応した。
「お上人が封印していた魔界への扉は未だに閉じられていないということだ」
「そんな馬鹿な!!だって、あのアルマゲドンから何年経っているとお思いですか?日光様」
孔雀は日光の言葉の言葉が信じられなかった。
「おいおい、ということは、薬師医王はまだ即身仏になっていないということか?」
鬼丸が孔雀に続いた。
鬼丸の言葉に日光は言葉に詰まった。
「ま、まさか、そのせいで黄幡星が復活したってことなのですか?」
「だから、お前たちと絡みたくなかったんだよ」
鬼丸は孔雀の問いに呼応するかのようにため息をついた。
「確かにお前の言うとおりだ、孔雀。この裏高野には、まだまだ闇と戦いたい退魔師がごまんといる。平和などを望まない退魔師がな」
日光は唇をかんだ。
「そのような輩が
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