銀河動乱
第六艦隊
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ない。
全火器、照準変更、措定範囲外掃射禁止。
右側の艦は第六艦隊の後方、敵の別動隊を連射。
左側は戦術コンピューター、C4回路の指示通り。
我が軍が勝つ、約3倍の艦を擁しているのだから」
ヤン准将の声が艦橋に響き、全艦長に届く。
小型艇の襲撃は唐突に途絶えた。
「メルカッツ、一撃離脱だ。
敵を邀撃の後、ファーレンハイトと連携せよ」
「了解しました、閣下。
攻撃中止、戦闘艇も後退」
ワルキューレ群も翼を翻し、迎撃の態勢が整う。
帝国軍本隊は旋回、右側に弧を描く。
艦の衝突、接触は無い。
前衛の数千隻は見事な機動を見せ、攻勢に転じた。
1万隻を超える後続の動き、方向転換は鈍い。
単縦陣に間隙が生じ、戦術コンピューター表示盤も変わる。
矢印4個が前衛、第二集団、第三集団、後尾を示す。
「1時の方角に転針、上下角プラス15度。
正面突破、敵を衝き崩す!」
ヤン准将の構想、戦術案を崩した責任は負う。
第六艦隊が盾となり、第二艦隊の後背を護る。
「ファーレンハイト、左下方転針。
浅い湾曲軌道を描き、敵の後背を衝け!
メルカッツ、更に後退。
逆側の敵を誘い、拘束を図れ」
再び、声が響く。
的確な指示の上、反応が早い。
帝国軍の勇将、宿将は期待に応えた。
前者は見事な肩透し、回避術で第六艦隊の強襲を外す。
速度も落とさず、数秒で射程距離の外に抜ける。
後者は第二艦隊の機動、ヤン准将の戦術案を敷衍して見せた。
左右迂回後に戦闘艇が後背を衝き、心理的動揺を誘う。
巡航艦と戦艦は転針、逆側の艦数千隻に合流を阻む。
「左旋回、10時の方角に転針!
上下角マイナス15度、左側面攻撃!!」
双璧の批評から推察するに、ラインハルト直属の艦は極少数。
門閥貴族の意趣を映し、扱い難い艦隊指揮官5名が押し付けられた。
各々数千隻の第二集団、第三集団、後尾は機動が鈍い。
シュターデン中将、フォーゲル中将、エルラッハ少将の酷評と合致する。
案の定、敵本隊後半数の態勢が崩れた。
全速直進の第二集団、数千隻は速度を落とさず通り過ぎる。
左横を衝かれた第三集団後部、第四集団全域は動揺を隠せない。
自己保存衝動が優り、迎撃を選んだ。
ラインハルトの指示に聞く耳を持たず、軌道を変える。
恐慌に陥った儘、撃ち捲った。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ