銀河動乱
第六艦隊
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遠い。
帝国軍は掃討戦に時を費さず、既に戦場を離れている。
約4時間弱経過の後、右後背から第六艦隊を襲った。
此の期に及んで戦力分散、分進合撃の再現に拘っていたとは思えないが。
第四艦隊と第六艦隊を撃破の際、帝国軍の損耗を期待したのだろうか?
頼みの第二艦隊は現れず、帝国軍が前方宙域に割り込む。
可及的速やかに数的優勢を確保、の提案を採る度量は無いのか。
右湾曲軌道を描き、敵の後背を衝く道は断たれた。
第四艦隊の連絡が絶えた直後、第二艦隊が動いたとすれば。
約4時間で第四艦隊は潰滅、間に合わなかった筈だ。
帝国軍が移動を開始の直後、第六艦隊の方角に進み始めたならば。
数分後に現れても良い計算だが、現実は厳しい。
第二艦隊は損傷艦の救助、生存者の捜索にも時を費やしたのだろうか?
他力本願を戒め、計算し直す。
強襲を開始時の第一陣、メルカッツ提督は第六艦隊の後背を襲っている。
ファーレンハイト提督の率いる精鋭、数千隻が前衛に躍り出た。
後続は実戦に向かない理論家、シュターデン指揮だろうか。
方向転換が襲い、前衛と間隙が開いている。
総司令官ラインハルト、副官キルヒアイス直属とは思えない。
本隊1万数千隻の過半数、中央部の間も開いている。
後衛の数千隻は更に艦隊運動が緩慢、鈍重と見た。
或いは罠かもしれぬが、躊躇している余裕は無い。
艦外通信のスイッチを押し、怒鳴り込む。
「針路変更、2時の方角に転舵!
敵の後方、左側を衝き崩す!!
最大戦速で直進、撃ち捲れ!」
ファーレンハイト提督の指揮する数千隻、前衛の速度が緩む。
針路変更に気付き、後方突破の意図を読んだのかもしれない。
左側に旋回、距離を詰め強襲の命令は傍受していないが。
側面攻撃を受け、態勢が崩れた時、第六艦隊は潰滅する。
帝国軍の前衛は旋回、自然な湾曲軌道を描いた。
第六艦隊左横に襲撃を避け、右側の敵に殴り込む。
1時半の方角から第二艦隊を襲い、一気に衝き崩す。
天井パネルが輝き、被弾の閃光に染まる。
数秒後、ヤン准将の声が艦橋に流れた。
第六艦隊の後背は単座戦闘艇の群、数千隻の敵艦に襲われている。
メルカッツ提督の追撃で損害が嵩み、脱落艦は過半数に達するかもしれない。
「損傷艦は転舵、上下角プラス15度!
全速直進、戦場を離れろ!!
他の艦は第二艦隊を援護、11時の方角に転針!
マイナス15度で直進、味方の下を潜り抜け、敵本隊の後背を衝き崩せ!!」
帝国軍本隊1万数千隻は単縦陣の儘、中央突破を狙った。
第六艦隊が後背を衝く前に、第二艦隊を押し捲る。
「大半は単座戦闘艇だ、狙っても当たら
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