銀河動乱
第六艦隊
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挟撃の前に第六艦隊が潰れる。
士気の崩壊を避ける為、咄嗟に唇が動いた。
先に敵が撃てば、恐慌状態に陥る。
反撃に転じ、時間を稼ぐ。
機先を制して撃ち捲り、動揺を誘う他に策は無い。
無数の光芒が閃き、流星の滝と化す。
灼熱の奔流に闇黒物質が融け、虹色の模様を描く。
有効射程圏外の為、直撃で脱落する敵艦は無かった。
エネルギー中和機構は負荷に耐え、損傷も無いが。
僅かに、帝国艦隊の速度が鈍った。
物理的損害は無いが、心理的効果が皆無と言えぬ。
メルカッツ提督が後続であれば連携、反撃を選んだであろう。
帝国軍の宿将は第六艦隊の後背を襲い、着実に戦力を削り続けた。
ワルキューレ群と艦列の連携は見事、付け入る隙も無い。
単座戦闘艇は軽量省面積の推進機関を載せ、方向転換の機動に優れる。
艦載の推進機関に最大出力、直線方向の最高速度は及ばない。
「敵の背後を第二艦隊が襲う、砲撃を継続せよ!」
防御装置容量の限界、無理を承知で艦長達を嗾ける。
耐久力勝負となれば、第六艦隊の勝率は低い。
正念場と肝を据え、真実とは程遠い嘘で戦意を煽った。
前を進む数千隻と異なり、後続1万数千隻は鈍い。
分艦隊指揮官の腕、力量を映し躍動しておらぬ。
門閥の権威に頼る貴族、完璧を望む理論家は実戦の勇者に非ず。
「もう少しだ、押し続けろ!」
同盟軍の連続射撃も無限には程遠く、数秒後に緩む。
集中砲火減衰は第六艦隊の潰滅、士気崩壊に直結の判断が実証された。
一瞬の隙を見逃さず、敵の前衛が動く。
ファーレンハイト提督は勇将、部下達の練度も高い。
好機に乗じ、一気に距離を詰める。
艦外通信機から悪態、怒号、悲鳴が溢れた。
緊張の糸が切れ、破滅に突き進む第六艦隊。
旗艦ペルガモン艦橋にも動揺、恐慌の津波が押し寄せる。
不意に、敵の前衛が離れた。
右に艦首を向け、互いの距離を詰める。
世界征服者アレクサンドロス大王の敵陣突破戦術、密集歩兵陣の態勢が整う。
「敵は背を向けた、損傷艦は戦場を離脱。
天頂方向に転進の後、応急修理と負傷者治療に専念せよ。
他の艦は射撃停止、降下角45度で旋回運動を続行。
追撃の有無を確認後、スパルタニアン発進準備を急げ」
戦術コンピュータ投影図、天井パネル表示盤に変化は無いが。
ラインハルト、キルヒアイス、ファーレンハイト提督の判断に異論は無い。
メルカッツ提督も追撃を緩め、本隊1万数千隻の後背を護る。
パエッタ提督は第四艦隊を見棄てず、救援を選んだ。
ダゴン星域の再現を望んだ為、艦隊間の距離は
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