巻ノ百二十六 軍議その七
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「何とかして大坂まで行ってもらうぞ」
「では再びですな」
「殿が文を書かれますな」
「そしてその文を少将殿にお届けして」
「説得されますな」
「そうする、では今から書く」
その文をというのだ。
「よいな」
「それではですな」
「その文をすぐにお送りし」
「少将殿に動いて頂く」
「そうしていきますか」
「大御所殿はかなりお怒りじゃ」
それでというのだ。
「下手をすればじゃ」
「改易ですな」
「それも有り得ますな」
「少将殿が今のままですと」
「どうしても」
「だからじゃ、文を書く」
そうなっては自分にも災いが及ぶからというのだ、こうしたことを話してから政宗は文を書いてそれを忠輝に送った。
その文を見て忠輝もようやく動く、幕府の軍勢も色々とあった。
だがそれは足並みが揃っていないという程でもなくだ、忍達からその話を聞いた幸村は難しい顔で言った。
「やはり幕府はな」
「乱れていませぬ」
「多少のことはありますが」
「それでもです」
「足並みは揃っております」
「大御所様の采配の下で」
見てきて十勇士達が幸村に話す。
「そして伊賀者、甲賀者も来ております」
「服部殿が大御所殿の傍にいました」
「どうやら十二神将達もです」
「おる様です」
「そうか、忍の者達もか」
幸村は十勇士達から話を聞いてまた言った。
「来ておるか」
「はい、しかしです」
「大坂城の周りには少ないです」
「今のところですが」
「左様です」
「おそらくじゃ」
何故大坂城の周りに幕府の忍が少ないか、幸村は十勇士達に話した。
「その必要がないからじゃ」
「だからですか」
「それで、ですか」
「この城の周りには忍が少ない」
「そうなのですか」
「それは何者か」
「おそらくこの城の中にじゃ」
大坂城にとだ、ここで幸村の目が顰められた。そのうえでの言葉だt6た。
「幕府とつながっている者がおる」
「ではやはり」
「噂通りにですか」
「有楽様は」
「あの方は」
「おそらくな、あの御仁とご子息はな」
長頼もというのだ、有楽の息子である彼もまた。
「茶々様のご親族としておられるが」
「しかしですな」
「それでもですな」
「幕府とつながっていて」
「大阪の情報を流している」
「そうなのですな」
「前からそう思っていたが」
幸村にしてもだ。
「しかし間違いなくな」
「あの方々は大坂のことを流しておられる」
「そしてですな」
「幕府はその話を活かしてですな」
「戦を進められていますな」
「有楽様親子のことは多くの者が疑っておる」
幸村だけでなく大坂方の緒将がというのだ。
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