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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
番外編
【番外編】お花見
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こうと、あらためて決意をするのだとか」

「へえ。そうなのか? マコト」
「そうなんですかね? でもルーカスが言ってるんだから、そうなんじゃないですか?」
「お前も結構適当じゃないか……」

「だって、そこまで考えたことないですよ? 前の世界のときは、花の下でみんなで一緒に食べたり飲んだりして、『ああ美味しいね』って思って。んで、みんなで一緒に騒いだり、誰かが出し物をしたりするのを見て、『ああ楽しいね』って思ってただけですもん」

「出し物?」
「ええ。酔った人とかが盛り上がって面白い芸をやったりとか、です」
「ふうん。じゃあマコト。何か面白いことしろ」

「言うと思った……無理ですって。そういうのパワハラですよ。パワハラ」
「ぱわはら?」
「はい。ダメなリーダーがやるものです」
「そっか。死ね」
「ふげっ」

 裏拳で胸を攻撃され、仰向けに倒された。

「……」

 ついでに……と、そのまま仰向けの景色を見た。

 真っ青な空を背景に、たくさんの濃いピンクの花が、こちらに向いていた。

 満開。
 見事な咲きっぷりだ。

 ――なるほど。

 ルーカスの言っていたことも、なんとなく、わかる気がした。
 そんな気分に……たしかに、なる。

 こちらの世界では、花を咲かせたい。

 たぶん、咲かせる条件は整っている。
 蕾はある。見守ってくれている人もいる。見に来てくれる人もいる。

 ならば、うまくいくのではないか。

 少しひんやりした、しかし穏やかなそよ風を頬に受けながら、そんなことを考えた。


「こら、マコト。いつまで寝てんだ?」

 脱力していたぼくの手首が、ガシッと掴まれ、力強く引き上げられた。
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