ペルソナ3
1982話
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しっかり削ってるじゃん!」
「駄目だね。ほら、ここを見てみな。本来削ってはいけない場所まで削ってるだろう?」
「どこだよ!」
「ほら、ここ。しっかり見れば分かるだろ?」
「いや、分かんねえって」
「とにかく、俺が駄目って言ったら駄目なんだ。残念だが、諦めるか……それとも、もう1度チャレンジするんだな」
「ぐぬぬぬ……」
そんなやり取りが聞こえてくるのを考えると、グレーといったところか。
客の方が無理を言ってるのか、それとも店主が賞金を出したくなくてそう言ってるのか。
その辺りはしっかりと分からないが、それもあってアイギスが興味を示したのか?
「お願いします」
「お、姉ちゃん。頑張ってくれよ」
アイギスが型抜き用の型と針を受け取り、台に移動する。
既に大分薄暗くなってきているという事や、アイギスも浴衣を着ているという事もあって、周囲の客達もアイギスを見ても特に違和感はないらしい。
だが……店長は、アイギスを相手にしたのは失敗だったと言えるだろう。
カカカカカカカカッ! といった具合に超高速で型抜きを削っていくアイギス。
その速度は、とても普通の人間に出来るような代物ではない。
そして1分掛かったかどうか……といったところで、型抜きを完了する。
「これでどうでしょう?」
渡された型を、じっと見る店長。
少しでも難癖を付けるところがあれば、それを理由に失敗と見なすつもりだったのだろうが……対シャドウ用兵器として設計されたアイギスの機能を存分に使った結果、そこにはどう考えても文句を付ける事が出来なかったのだろう。
店長は諦めたように、アイギスに賞金を渡す。
もっとも、渡された型はそこまで複雑なものでもなかったので、賞金は1000円だ。
型抜きの代金が500円だというのを考えれば、実質的な賞金は500円といったところか。
ただ……アイギスは1分程度で型抜きを終えたのだ。
つまり、時給……ではなく、分給500円という事になる。
「なるほどなー」
アイギスも俺と同じ事を考えたのか、その目が鋭く光る。……ように見えた気がする。
店長の方は、そんなアイギスの態度に何かを感じたのか、顔を引き攣らせ……
「では、もう一度お願いするであります。今度はもっと賞金の高い物を」
そう告げ、受け取ったばかりの千円札を店長に渡す。
店長もそう言われれば引き受けない訳にはいかなかったのか、難易度の高い型をアイギスに渡し……
「おい、いいのか? アイギスに任せれば、色々と不味い事にならないか?」
「うむ。だが、この店は色々と評判の悪い店でな。アクセルも先程のやり取りは見ていただろう?」
「……なら、何でそんな奴を夜店に入れるんだよ」
美鶴の言
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