ペルソナ3
1981話
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事はなかった。
「うん、やっぱり美味いな」
夏祭り風と言うべきか、船型の入れ物に入っているたこ焼きはかなりの味だ。
たこ焼きの本場と言えば大阪だけど、多分それに負けてないんじゃないだろうか。
いや、大阪のたこ焼きは食べたことがないから、何とも言えないが。
「ね、アクセル。あれ、ちょっとやってみない?」
「うん? ……ああ、輪投げか。またレトロなものを……」
「夏祭りっぽくない?」
そう言われれば、夏祭りっぽい……か?
まぁ、紐で引くクジとは違って明確にインチキとかはされてないように思えるし、やってみても面白いだろう。
そんな訳で、オクトパシーの屋台から少し離れた場所にあった輪投げに挑戦する。
ちなみに、一番高額の商品は最新鋭のゲーム機なんだが……当然目玉商品らしく、簡単に取られないようにはなっていて、輪を入れる的のすぐ後ろにはTVが置かれて映像を流していた。
うん、まぁ、狙いは分かる。高額商品だけに、そう簡単に取られてたまるかと、そんな意図なんだろう。
そのTV画面が壁になり、少しでも勢いが強ければその画面にぶつかって跳ね返り、輪は目標に入らないようになっている。
「お、兄ちゃん。可愛い恋人連れてるね。どうだい、少しやってくかい?」
そんな屋台の店主に金を払い、早速チャレンジ。
まずは普通に取りやすい、キーホルダーを狙って……見事に輪が入る。
そして次にお菓子やコップなんかの簡単な商品を狙っていき……その全てが成功し、幾つもの小物を入手することに成功した。
当然一度も外すことなく輪を入れている俺の様子に、店主が難しい表情を浮かべていた。
もっとも、別に念動力とかのようなイカサマの類はしていない。
これは純粋に俺の身体能力や五感を使っての行動だ。
「さて……じゃあ、輪も最後の1個になったし、ラスボスを狙うとするか」
そうして視線を向けたのは、TV画面の前に置かれている標的。
そう、最新鋭ゲーム機を貰える標的だ。
ラスボスらしく、輪が入る棒の部分も他よりかなり太くなっており、それこそ丁度スッポリと真上から落ちなければ入らないようになっている。
だが、だからこそ、それを狙う価値があるのだ。
「よし、ラスト1回だ。好きな場所を狙ってみな!」
店主の言葉に、俺は手の中にある輪をしっかりと握る。
「アクセル、頑張って!」
そんな俺の横では、ゆかりが応援の声を上げていた。
その声を聞きながら、俺は意識を集中し……そっと握っていた輪を投げる。
ふわり、といった感じで飛んでいく輪。
コースは間違いなく、軌道も問題ない。
そうしてゆっくりと飛んでいった輪は……次の瞬間、見事に的に入る。
『うおおおおおおおおおお
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