ペルソナ3
1981話
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類が聞こえてきたような気がするが、きっと、多分、恐らく気のせいだろう。
……まぁ、そういう行為をした奴だって、結局のところ恋人、もしくはそういう仲に発展しそうな相手と待ち合わせをしているのだから、その相手が来れば俺と同じような行動をして、まだ残ってる奴に同じように舌打ちされるんだろうが。
「浴衣なんて滅多に着ないから、ちょっと動きにくいわね」
「階段に躓かないようにしろよ」
「躓いたら、助けてくれるのが、その……か、彼氏の役目じゃない?」
まだ赤いままの頬をより一層赤くしながら告げてくるゆかりに、俺はそっと握っている力を引く。
転ばないように、引っ張り上げるように。
そんなやり取りをしながら階段を上りきると、そこではまさに夏祭り……といった光景が広がっていた。
普段であれば人は殆どいない長鳴神社の境内には、それこそどこからこれだけ集まってきたのかと言いたくなるような者達が集まっている。
そして、多くの屋台。
綿飴、たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、イカ焼き、かき氷……その他ざまざまな屋台が幾つも並んでいる。
型抜き、金魚すくい、お面屋、射的といった定番以外にも、紐を引くくじ引きがある。
紐の先には最新式のゲーム機やデジカメなんかが結構あるけど……こういうのって、本当に紐に繋がってるのか?
こういうくじ引きで当たってる客を見た事がないんだが。
まぁ、そういう雰囲気を楽しむものだって言われれば、そうかもしれないけど。
「うわぁ……凄い人ね」
客の数を見ながら、ゆかりが呟く。
実際、歩くのにも苦労しそうなくらいの人がここには集まっている。
もっとも、東京の人混みに比べればそこまで酷くはないのだが……やっぱり、この境内だからこそ、余計に多く感じるというのもあるんだろう。
「さて、じゃあ……まずどの屋台に行く? 定番のたこ焼きからか? オクトパシーで店を出してるらしいから、外れはないと思うけど」
「えっと、そうね。……あ、やっぱり夏祭りに来たら、まずはこれでしょ」
そう言ってゆかりが指さしたのは、お面屋。
アニメのキャラから特撮のキャラ、もしくは動物……色々なお面が売りに出されている。
まぁ、これも夏祭りの屋台で定番だよな。
そんな風に思いながら、俺は狐のお面を、そしてゆかりは犬のお面を買う。
普通にお面を被るのではなく、頭の横に被るような感じにしながら、夜店を楽しんでいく。
最初に寄ったのは、たこ焼き屋。
オクトパシーの出店ということで、味については他の何も知らない店よりは安心感がある。
……まぁ、オクトパシーのたこ焼きそのものが、材料にタコ以外の何かが入っているという噂があるんだが……取りあえず俺が今まで食べてきた感じだとそういうのが入っていた
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