ペルソナ3
1981話
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所に、コロマルが……それも、犬でペルソナ使いという、極めて珍しい存在を連れて行けばどうなるのかは、それこそ考えるまでもないだろう。
一応武治の方に手を回して、召喚器としても使えるコロマルの首輪を調べて貰ったが、そちらの方は特に問題がないらしい。
今にして思えば、俺もよく幾月にコロマルの召喚器を任せたよな。
下手をすれば、それこそ何か仕掛けられている可能性は否定出来なかった筈だ。
「アクセル!」
そんな風に考えていると、不意に名前を呼ばれる。
声のした方に視線を向けると、そこにはゆかりの姿があった。
それも浴衣姿の、だ。
普段は活動的で動きやすい格好を好むゆかりだったが、今日は赤……いや、ピンクよりか? それと白のチェック柄の浴衣だ。所々に何かの花もあり、見る者の目を引く。
「その、どう……かな?」
「ああ、似合ってるぞ。普段は活動的なゆかりが浴衣を着ているってのは、どこか新鮮なところがある」
「もう、馬鹿」
どこかで聞いたような言葉で照れるゆかり。
うん、そうだよな。どこかで聞いた覚えがあると思ったら……さっき俺が待っている時に待ち合わせした奴が同じようなやり取りをしていたな。
ふとそれに気が付いて周囲を見ると、やはりというか、待ち合わせをしている男達が俺に向かって嫉妬の視線を向けていた。
まぁ、ゆかりはかなりの美人で月光館学園の中でも人気のある女だ。
そういう相手が浴衣姿で俺とイチャついていれば、当然嫉妬を向けてくるのも当然だろう。
別に俺の場合は嫉妬されたからって……それこそ、絡んできてもどうとでも出来るのだが、そうなれば折角の夏祭りなのにゆかりも気分を害するだろう。
そんな事にならないように、取りあえずこの場を離れるか。
「境内の方に行くか、ゆかり」
「うん。……その、アクセルもその甚兵衛似合ってるわよ」
俺に浴衣を褒められた照れか、自分が俺を褒めた照れか、はたまた俺と夏祭りでデートをするのが気になったのか……ともあれ、ゆかりが俺の方を見てそう言ってくる。
「そうか、そう言って貰えると着てきた甲斐があったな。もっとも、浴衣じゃなくて甚兵衛を褒められるってのは、ちょっとどうかと思わないでもないけど」
浴衣を褒めるというのは、よく聞く言葉だ。
だが、甚兵衛を褒められるというのは……あまり聞かないような気がする。
まぁ、褒められて嬉しくないかどうかと言えば、間違いなく嬉しいのだが。
「じゃあ、行くか」
「うん」
そっと手を手出すと、布袋……巾着って名前だったか? ともあれ、それを持っていない方の手で俺の手を握るゆかり。
指と指を絡める繋ぎ方で手を繋ぎ、夏祭りが行われている長鳴神社の境内に向かう。
何だか背後から舌打ちの
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