北の墓標
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が、常識ではありえないような状態で固まっていた。
ディマリアはゆっくりとした足取りで、ウェンディに顔を近付ける。
「時を封じる魔法“アージュ・シール”。わかる?絶対に負けない最強の魔法。だってこの世界じゃあなたたち何もできないのよ?」
クスリと笑ってウェンディの頬をいじるディマリア。彼女はそのまま、少女の服へと手を伸ばす。
「この子の服もビリビリにしてやろうかしら?いや、それはもういいか」
反応を楽しむのもいいがそれでは今の彼女の怒りは納まらない。ディマリアは自らの剣に手をかける。
「全員まとめて殺すは簡単。だけどそれじゃ面白くない。時が戻った時なぜか仲間の一人が死んでる・・・うん・・・それがいいわね」
頬を赤くして楽しそうに笑みを浮かべるその姿は幾人もを手にかけたまさしく戦場を駆け巡ったもののそれだった。女神とはほど遠い悪魔のような笑みを浮かべ、彼女は三人の顔を見つめる。
「誰にしようかしら」
誰を殺して反応を楽しむかを悩んでいると、彼女の視線は藍色の髪をした少女の前で止まる。
「やっぱり私の顔を蹴ってくれたこの子よね」
顔をぺしぺしと叩き剣を構える。
「さよなら」
首を刈り取ろうと一直線に剣を振る下ろしたディマリア。それはウェンディの首にかかろうとした瞬間・・・
シャッ
動けないはずのウェンディが高くジャンプして回避してしまった。
「え?」
確実に仕留めることができるはずだったのに、なぜか目の前の少女は動いている。
「シェリア!!」
「ウェンディ!!」
しかもそれはウェンディだけではない。その隣に立っていたシェリアも普通に動いているではないか。
(なぜ?なぜ私の世界で動けるの?)
何が起きているのかわからないディマリア。混乱して動けなくなっている彼女に向かって、ウェンディとシェリアはジャンプして蹴りを放つ。
「天空甲矢!!」
「天空乙矢!!」
見事に顔面にヒットしたコンビネーション攻撃。ディマリアはそれに持ちこたえるのがやっと。
「今・・・頭の中で声が・・・」
「あたしも・・・」
咄嗟に攻撃には出たもののウェンディとシェリアもイマイチ状況が掴みきれていない。そこに、歩いてくる水晶を抱えた女性。
「時に歪みが生じている。ここは時空の狭間の世界。この世界にいるのはあなた一人?いいえ・・・ここは私の世界でもある」
「あんた・・・」
シャルルはやって来た人物に思わず目を見開いた。黒ストレートヘアの全身レオタードのような服に身を包んだ女性・・・
「ここは時の牢獄。魔女の罪があなまの罪に鉄槌を下すわ」
悪魔の心臓の七眷属の長にして|魔女の罪《クリム
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