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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
北の墓標
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れに全員が拳を突き上げると、カグラが目の前に現れた二人の男に気が付く。

「我らナインハルト隊四紋騎士」
「隊長を返してもらうぞ!!」

それは前日レオンに破れ捕虜にされていたナインハルトの部下たち。しかし、彼はもうこの世にいない。それを知っているカグラは申し訳なさそうな顔をしているが・・・

「悪いがここで止まるわけには行かないんだ!!」

何も知らない緋色の女性は目の前の二人をあっさりと蹴散らした。

「本当にケガ人か?」
「この程度、大したことはない」

全身包帯だらけなのに全くそれを感じさせない動きに感心せざるを得ない。そのままどんどん進もうかとした時、二人の影が被さったのがわかった。

「バカめ!!四紋騎士は四人いる!!」
「油断したな!!」

先程倒したのが全てではなかった。完全に油断していたエルザとカグラに飛びかかる四紋騎士。しかし、彼らの攻撃が届くよりも先に、青い髪をした青年がそれを遮り、吹き飛ばしてしまった。

「お前・・・」
「遅れてすまない」

二人の女性の前に降り立ったのはジェラール。彼の登場にカグラはひどく動揺していた。

「顔を隠せ」
「もう逃げるのはやめたんだ。ゼレフを倒すために、俺はここに来た」

強い意志が見てとれるジェラールだが、エルザが心配しているのはそう言うことではない。以前楽園の塔での事件の際、彼の手によってカグラの兄であるシモンが殺されてしまった。そのことを考えると、今この場で彼を見てしまったカグラが襲い掛かるのでは懸念していたからだ。

「ジェラール・・・」

ひどく汗をかいているカグラ。それを見てエルザはどうすればいいかわからず立ち尽くしていた。
すると、彼女はフラフラと青年の方へと歩み寄っていく。

「待て!!カグラ!!」

それを制止しようとしたエルザ。だが、カグラはジェラールの脇を何事もなかったかのようにすり抜けると、後ろから迫ってきていたアルバレスの兵隊を斬り倒す。

「ジェラール・・・私は貴様を許すことはできない。だが・・・」

振り向いた彼女の顔は先程までの動揺していたのがウソのようにスッキリしていた。

「私はもう、過去を背負い込むのはやめたんだ」

昨日のレオンの言葉で完全に吹っ切れたカグラ。彼女はジェラールとの遺恨のことは忘れ、戦いへと戻っていった。















カチッ

奥歯を噛んだディマリア。その瞬間、周囲にいたものたちの動きが一斉に止まった。

「今・・・世界には私一人。私だけの世界。誰もが一度は願ったことがあるでしょ?もしも時間を止められたらって」

石像のように微動だにしない三人の少女。他にも激しくぶつかり合っていたはずの魔導士たち
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