北の墓標
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回避すると、堪らず後方へと飛んで逃げる。
「・・・で?もう一つは?」
仲間が不意を突かれ襲われたことに対しレオンが拳を振るう。天海はそれに視線をくれることもせずに難なく受け止めた。
「安心しろ。もう達成されているようだ」
「「??」」
不思議な言い回しをする天海に困惑を隠すことができない少年二人。天海は掴んでいたレオンの手を払うように離すと、彼の腹部にアッパーパンチを叩き入れる。
「ガハッ!!」
「レオン!!」
思わず宙に浮いた少年の体。放物線を描いた氷の神は激しく地面へと落ちてしまう。
「あとは強者との戦いしか興味はない。さぁ、俺を楽しませてくれ」
戦うことでしか欲を満たすことができないその姿はまさしく狂戦士。危うい相手との戦いに、シリルとレオンは気を引き締めた。
激しくぶつかり合う男たちから離れたところ、そこでは裸体を隠している天神と地面に座り込んでいる剣士の間に、天空の巫女が立ち塞がっていた。
「なんて格好してんのよあんた。ハイこれ、ウェンディのだけど」
「ありがとうシャルル」
あられのない姿となっているシェリアにウェンディの服を着るように渡したシャルル。彼女はそれに袖を通したのは良かったのだが・・・
「あれ・・・きっつ・・・」
「・・・」
背丈の差もあったためかなりピチピチになってしまっていた。ウェンディはそれに悔しそうにしていたが、目の前の脅威が立ち上がったことでそちらに意識を向ける。
「おチビちゃんたち、ここがどこか知ってる?」
遊び程度にしか考えていなかった先程までの表情とは異なり目の色が変わっている女剣士。彼女を見て服を着替え終えたシェリアがウェンディの隣に立つ。
「気をつけて。あいつどんな魔法使ってるかわからない」
「うん」
いつの間にか服を切り裂かれたということ以外は何も情報がない。そのため如何なる攻撃が来るのか予想することができず、とてつもない緊張感が漂っていた。
「ここは戦場、子供の遊び場じゃないの」
「平和な街ハルジオンをそう変えたのはあなたたちです。私たちは絶対に街を取り戻してみせる」
ウソ偽りのない少女の決意。それにディマリアは面白くなさそうにしていた。
「私・・・子供にも容赦しないから。本当なら一瞬で殺せる。そう・・・本当に一瞬よ」
「来るわよ!!」
これまでとは比べ物にならないほど高まっていく魔力。シャルルはそれに対処するべく構えを取った。
「あなたたちに取ってはね」
カチカチと奥歯を鳴らしたディマリア。ここから彼女の猛攻が始まってしまうのか!?
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