北の墓標
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きない。
「雷竜の・・・咆哮!!」
しかしそれを打破したのはこの男。放たれた圧倒的な雷の威力は凄まじく、地面が見えないほど人で溢れていたアルバレス軍の
間に、道が生まれていた。
「なんだこいつ!?」
「化けものじゃねぇか!?」
スプリガン16と対等に戦うことができるのではないかと思われるほどの魔力。それを放ったラクサスは一歩ずつ前に進んでいく。
「俺はお前たちを許さねぇ。お前たちのせいで、俺の仲間たちは傷つけられたんだ」
怒り満ちた青年の表情。それを見たアルバレス軍は顔を引き釣らせていた。
「大体レオンはいつも―――」
「だぁー!!わかったわかった!!」
前線を押し上げていくラクサスたちとは対照的にいまだに言い争っているチビっ子コンビ。そんな彼らを見据えている天海は、ようやく口を開いた。
「貴様ら、名は何と言う」
その声を聞いた瞬間二人は敵に全ての意識を向けた。しかし、思わずシリルは目を見開いた。
(なんだこの人の匂い・・・懐かしい・・・いや・・・違う・・・)
天海の匂いを感じた瞬間、シリルはある者が脳裏をよぎった。だが、それよりも違和感を覚えたのは、彼の魔力。
(魔力を一切感じないぞ?この人)
超魔導軍事帝国アルバレスの最高幹部・・・にも関わらず魔力を感じないのはおかしい・・・いや、もし仮に魔力を抑えているのだとしたら、レオンが彼に魔法を使わせることができないほどの実力差があるとも考えることができる。
「レオン・バスティアだ」
「シリル・アデナウアーと言います」
二人の名前を聞いた瞬間、天海は首を傾げた。しばし首を傾げていたかと思うと、彼はここで自らの名前を発する。
「俺の名は天海。ある目的を果たすためにここにやって来た」
「ある目的?」
「妖精の心臓を手に入れるためだろ?」
レオンたちもウォーレンからの連絡により全ての情報を入手している。彼らが妖精の心臓を奪い、それと同時にイシュガルを侵略しようとしていることも。
「残念だが、俺はそんなものは興味はない」
「「!?」」
彼の言葉を聞いて衝撃を受けた。アルバレス軍であるはずなのに彼はそれを求めているわけではない。それがどういうことかわからず二人は身構えてしまう。
「俺の目的は二つ。一つは強者との戦い。そしてもう一つは・・・」
そこまで言って男は駆け出した。素早い蹴り出しで飛び出した天海。彼は一瞬でシリルの前に立ち、無駄のない動きで蹴りを放つ。
「おわっ!!」
脅威的な速度ではあったが何とか反応することができたシリルはマトリックスばりの仰け反り方で
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