EX回:第47話<戦場より辛いもの>
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いたことを聞いた。
「お前は、いつからここに?」
「ここの設置が半年前……その直後だ。ただ艦娘の量産化はそれ以前から別の実験室のような部署で続いてたらしい。不安定ながら、ある程度の形が生成できるようになってから、ここに移されたんだ」
「失礼します」
私たちの前に叢雲が、ご飯を盛り付ける。
(お米か、日本とはちょっと違うな)
何気なく呟いた。
「叢雲……美保にも居たかな?」
しかし、この無表情な艦娘たち。何とか出来ないものかなあ。
美保から来た他の艦娘たちも、さっきから黙っている。
恐らく私と同じ違和感を感じているだろう。
祥高さんと日向が小声で話している。
「何か、違いますね」
「そうですね、生気が無いというか……」
そうだよ。これじゃ本当に単なる機械だ。
あの未来の艦娘たちと、この艦娘たちの異なる点は、やはり「感情」の問題かな?
『ゴス!』
「痛てっ!」
ブルネイが私の脇を小突いた。
「お前が悩むな! 午後の仕事をしっかりやってくれ。頼むぞ!」
「あ、ああ……」
慌てて彼を見た。笑顔か……いつもの元気なお前に戻ったのかな。
やがて配膳が終わった。駆逐艦娘がワゴンをまとめ整列した。
それを合図にブルネイは立ち上がって挨拶する。
「今日は遠路はるばる貴重な実験のためにここブルネイまでようこそ! たいした歓迎も出来ませんが協力して海軍の未来の為に実験を成功させましょう! ……では、お召し上がりください」
『いただきます』
美保の艦娘たちは、きちんと手を合わせて自然に掛け声をかける。微笑ましい。
配膳の艦娘たちは目を丸くして見ていた。
「頂きます」って所作を知らないよな。
この試作の艦娘たちにも喜怒哀楽があるんだ……なおさら複雑な思いになる。
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