ペルソナ3
1980話
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だな」
「あー……それは否定出来ないわね。順平って、色々とやらかしてきた前科があるし」
「なら、それこそ順平に対するアドバイスは、俺じゃなくてゆかりがした方がいいんじゃないか?」
「微妙なところね。順平が好きになった相手の性格が分かれば、アドバイスを送ってもいいんだけど。ここで下手に私が何かを言おうものなら、寧ろ順平の言動が不自然になるでしょうし」
冷たい麦茶の入ったコップを口に運びつつ、ゆかりがそう言う。
コクリ、コクリと麦茶を飲むその白い喉は、どこか蠱惑的だ。
……もしここにいるのが俺じゃなければ、それこそ衝動に負けてゆかりを押し倒していてもおかしくないくらいには。
「……何?」
麦茶を飲み終わったゆかりが、俺の視線を感じたのかそんな風に尋ねてくる。
「いや、何でもない。ゆかりの作ってきた麦茶は美味そうだなと思って」
「あのね、麦茶なんて水にパックを入れておけば、それで出来るのよ」
少し呆れ……それでいながら、照れたのか薄らと頬を赤くしながら告げるゆかり。
そう、この麦茶はゆかりが作って持って来たものだ。
もっとも、影のゲートで直接ゆかりの部屋から俺の部屋にやって来たんだから、持って来たという表現が相応しいのかどうかは、正直なところ微妙だが。
「そうだな。出来れば恋人の作ってくれた料理とか食べさせて貰いたいところだけどな。……こうして一緒にいても、料理を作るのが男の俺ってのは、正直どうよ?」
「う゛っ! そ、それは……今の時代に女だから料理が出来なければならないなんて事はないわよ。それに……一応、私だって料理は出来るのよ? 言っておくけど、こう見えても以前は自分で食事を作ってた事もあるんだから」
母親との関係が悪い以上、料理は自分でしていたというのも間違いではないんだろう。
その母親との関係も、まだ一切直ってないようだが。
ただ、この手の話題は例え恋人でも口を出せば大抵拗れるんだよな。
そうならない為には、まだ暫く様子を見る必要がある。
「なら、今日の昼食はゆかりに任せてもいいのか?」
「そ、それは……えっと……また後日って事で」
うん、やっぱりそう言って誤魔化すか。
料理が出来ないか……もしくは出来たとしても、下手くそなのか。
「一応注意しておくが、料理に無理にアレンジするとか、隠し味を加えるのは厳禁だぞ? 少なくても、一定以上の腕に上がるまでは」
「ちょっと、それってどういう事よ?」
「さてな。ただ、俺のアドバイスだよ、アドバイス」
不満そうなゆかりは、再び麦茶を飲む。
もっとも、俺だってそこまで料理が得意な訳じゃない。
ただ、荒垣から本当に基礎的な事だけは教わっているので、ある程度は何とかなる訳だ。
例えば、パス
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