一章 薬師とか穢れとか
三話 生き返ったら人じゃなくなってた。何を言っているかわからねぇと思うが私もわから(ry
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が全部人の恐れによって生まれたものなのだろう。私も人間だったら驚いて腰を抜かしそうだ。
そんな妖怪集落に住み始めて数年経った。妖怪になってからと言うもの月日が流れるのが非常に早い。
「儚〜!人里襲いに行こうぜ!今日は山を3つ超えた所に行ってみようと思うんだ!」
家に入ってきたケモ姉が喜々として私に声を掛ける。儚とは私の名前のことだ。以前ケモ姉が付けてくれた。昔の名前は当然男っぽいやつなわけで今のこの少女姿には全く似合わないのだ。
なんでも命名の理由は、
『見た目が儚くて謎めいていつでも消えてしまいそうなんだよなお前…中身はただのダメな奴だけど。』
だそうだ。ダメなやつは余計だ。合ってるけど。まあ割りとこの名前は気に入っている。
「嫌だ。」
「んだよ釣れねぇなぁ」
ケモ姉に人里襲撃のお誘いがあったがいつも通りお断りする。この集落の妖怪たちは時々人里を襲撃している。そうすることで妖力を集めているのだ。
「いいの。私は使わなきゃ妖力減らないんだから。たまにおどかすだけで十分。」
「そりゃそうだけど、なにより人を襲うのは楽しいじゃないか。なあ?」
生きるための食事だけじゃなくそれを楽しんでいるのだから手に負えない。別段襲われる人間のことを憐れむつもりは無いが、半分快楽目的で殺戮を繰り返すのには恐怖を通り越して呆れてしまう。
「しかし減らないっていうのは便利だよなぁ」
私の妖力が全く減らない理由はどうやら能力のおかげらしかった。無意識に流れ出る妖力の量の『大きさ』を限りなくゼロに近づけているらしい。なんて便利!『あらゆる大きさと向きを操る程度の能力』様々である。チート能力バンザイ!
「ケモ姉も使わなきゃ当分大丈夫でしょ。人に恐怖を与える為に使いすぎなだけじゃない。本末転倒だよ。」
そうなのである。妖怪には大まかだが格という物が有る。大昔に私を襲ってきた獣みたいな奴は下の下の妖怪だったらしい。ある程度格が上がると意識を持つようになる。そうするとそう簡単に存在が消えることはない。
「あ、でもどうせ行くならまた本を取ってきて欲しいかな。」
「またかよ。よく飽きないねぇ。私なんか5文字で読むのを諦めたよ。」
やれやれとポーズを取るケモ姉。集落の妖怪達は襲撃ともに人里のものを略奪してくる。お陰でこの妖怪集落は意外とものに困らない。その中には人が作った本もありそれを私は好んで読んでいた。こんな恐竜が闊歩する大昔っぽい世界なのに意外にも為になる本や面白い小説本もある。
「だってそれ以外にやることが無いんだもの。」
「だから一緒に行こうぜって言ってるじゃないか?」
「それは嫌。」
元人間だからと言うのも理由の中には欠片ほどはあるが、それよりもなによりも、争いは好まないのだ。私はインドア派なのだから。
「まあいいや
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