第二章
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「自衛隊の人達とかが」
「そうしてくれたら嬉しいな」
「すぐにでもね」
「震災の時はいつも来てくれるが」
「今もだったらいいわね」
両親も衛二と同じことを思った、そうしてだった。
一家は体育館の中に入った、小学校に急遽来ていた校長先生の誘導で。そうしてとりあえず休んでいると。
校長が避難してきている彼等に言った。
「先程連絡がありました」
「連絡?」
「連絡っていいますと」
「校長先生にですか」
「はい、私の携帯に連絡がありました」
避難者達に語るその顔は明るいものが入っていた、突然の大地震に暗く強張ったものは深くあるにしても。
「救助隊が来られるそうです」
「救助隊がですか」
「来てくれるんですか」
「今ここに」
「はい、そうです」
まさにというのだ。
「連絡を受けてすぐにで」
「こっちに向かってきてくれますか」
「今から」
「そうしてくれるんですね」
「自衛隊の部隊が物資を持って来てくれて」
そのうえでというのだ。
「向かって来てくれています、自衛隊以外の人達も」
「来てくれていますか」
「こちらに」
「そうしてくれていますか」
「ですからご安心下さい」
震災が起こったばかりで大変な状況だがというのだ。
「我々がいます」
「だからですか」
「じゃあここは」
「助かりますか」
「そうなるんですね」
「そうです、もう少しだけ我慢して下さい」
震災が起こったばかりで不安であってもというのだ。
「救助隊が来てくれます」
「わかりました」
「来てくれるんなら」
「是非」
避難している人達も喜んだ、そうしてだった。
彼等は大変な状況だったがとりあえずは安堵した、救助隊が来てくれるならとだ。それは衛二と彼の家族達も同じで。
衛二は両親それに今も自分の傍にいるチロに笑顔で話した。
「何とかな」
「ああ、本当にな」
「助かりそうね」
「大変だったけれどな」
「救助隊が来てくれるのなら」
「自衛隊か」
その彼等についても思う衛二だった。
「噂だと凄いらしいな」
「こうした時はな」
「まさにあの人達っていうわね」
「じゃあまだ避難しきっていない人達もか」
「助かるのね」
「そうだろうな、俺も落ち着いたらな」
そうしたらとだ、震災が起こってまだ数時間程経っていないが衛二の意気は軒昂だった。この辺りは彼の強さか。
「救助の方にな」
「行くのか」
「ボランティアで」
「ああ、そうしてくるな」
「俺も行くな」
父もこう言った。
「五体満足だしな」
「親父もか」
「ああ、五体満足で何もしないのは駄目だろ」
見れば強い確かな顔での言葉だった、身体つきはむしろ衛二より大柄でしっかりとしている。
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