第二章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ラム酒を飲んでるんだよ」
「それでスカパフローにもラム酒を飲めるお店が多いんだね」
「ビールとかね、勿論ウイスキーもね」
この酒もというのだ。
「よく飲めるよ」
「強いお酒多いんだね」
「イギリスらしいよね、あとね」
「あと?」
「ビーフシチューもあるよ」
トムリンソンはにこりと笑って宮崎にこの料理も出した。
「あれもね」
「ああ、ビーフシチューね」
「まあこのお料理欧州の何処にでもあるけれど」
「それでもだね」
「イギリスでも食べていてね」
そうしてというのだ。
「海軍でもよく食べていたんだ」
「それでスカパフローでもだね」
「よく食べていてね」
そうしてというのだ。
「僕も家でよく作ってもらったし今もね」
「自分で作ってるんだ」
「下宿先でね」
学校の中にある外国人用の寮に住んでいるがそこでというのだ。
「そうしてるよ」
「へえ、そうだったんだ」
「美味しいし栄養があるし身体があったまる」
トムリンソンは流暢な日本語で話した、他には北京語も流暢に話せる。ただしどっちもいささかイギリスのスカパフロー辺りの訛りが入っている。
「だからよく食べてるよ」
「そうなんだね、じゃあね」
「じゃあって?」
「日本のビーフシチューは知ってるから」
宮崎は笑ってトムリンソンに聞いてきた。
「そっちは」
「ああ、日本のビーフシチューだね」
トムリンソンはビーフシチューそのものと思い宮崎に答えた。
「日本のビーフシチューなら食堂で食べたけれどね」
「美味しかったっていうんだね」
「よかったよ、実はイギリスはね」
「ああ、お料理はだね」
「よく言われている通りだからね」
このことにはまた苦笑いになって話したトムリンソンだった。
「だからね」
「うちの大学のビーフシチューはよかったんだ」
「イギリスの大抵のお店のより美味しいんじゃないかな」
「それは何よりだよ、けれどね」
「けれど?」
「僕は今言っているビーフシチューはね」
それはとだ、宮崎はトムリンソンに楽しそうに話していった。
「また違うんだよ」
「違うって?」
「日本のビーフシチューなんだよ」
「あれっ、だからそれは」
「わからないかな」
「僕が食堂で食べたものじゃないのかな」
「それを今日のお昼に見せたいけれどいいかな」
笑ったままでだ、宮崎はトムリンソンにこうも言った。
「そうしても」
「うん、お願いするよ」
トムリンソンは好奇心を覚えて宮崎に答えた。
「それじゃあね」
「うん、じゃあ今日のお昼は一緒に食べよう」
「その日本の肉じゃがを注文してだね」
「そのうえでね」
こう話してだ、二人は実際にこの日の昼は大学の食堂に入った、そうしてそこで一緒にその日本のビーフシチ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ