第四章
[8]前話
「まあそうしたことをされるのもね」
「アイドルだからですか」
「そうよ、だからもうこうしたことはあっても知らない気付かないふりをして」
そのうえでというのだ。
「これからも頑張ってね」
「アイドルのお仕事をですね」
「そうしてね、この前の歌が好評で次の曲深夜のアニメの主題歌になりそうよ」
「えっ、そうなんですか」
「郁美ちゃん歌上手だから」
スタイルだけでなくそこもいいというのだ。
「それでよ」
「アニメの主題歌ですか}
「オープニングのね」
「それは凄いですね」
「将来アニソン歌手の道もあるし」
今はアイドルだがそれでもというのだ。
「歌も頑張ってね」
「はい、そうさせてもらいます」
「アイドルとしてね」
にこりと笑ってだ、聡美は郁美に言った。そして郁美はアイドルの仕事を頑張るがふと聡美が話した某巨大掲示板の自分のスレッドやニコニコ動画で自分を検索してそうしてどういった書き込みが為されてるのかを見てだ。
次の日仕事に行く時に車を運転する聡美に話した。
「昨日スレッドとニコニコ見ました」
「凄かったでしょ」
「いやあ、皆露骨でしたね」
笑ってこう返した。
「何をしたいとかあれこれと」
「それも具体的にね」
「プレイの内容とか身体の位置関係とか」
「そうしたことを想像してね」
「私をその想像の中で、ですね」
「そうしてるのよ、これがアイドルよ」
「それで人気がないと」
それならどうかるかもわかる聡美だった。
「そうした書き込みもないですね」
「スレも立たないし動画もあがらないわよ」
「そうですよね」
「まあそれも人気があるってことでね」
「考えないことですね」
「考えてたら正直出来ないから」
アイドルの仕事はというのだ。
「水着や下着になるのと同じでね」
「アイドルなら絶対だからですね」
「もう考えても仕方ないから、しかもね」
「しかも?」
「男の子や男の人は誰もそうよ」
「そうしたことを想像してですね」
「そうしたことをするものよ」
そうした生きものだというのだ。
「もうそこはね」
「わかっていて、ですね」
「やっていきなさい、じゃあ今日はね」
「雑誌のインタビューですね」
「アニメ雑誌のね」
主題歌を歌うアニメのことでのそれだ。
「それだから」
「はい、じゃあ今日も頑張ります」
「そうしなさいね」
こう郁美に言ってだった、聡美は車を彼女の今日の仕事場に進ませた。そして郁美も真面目に仕事をした。
アイドルの義務 完
2017・11・13
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