epilogue in 2314 ?
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「X国、Y国の部隊以外にも機体がありますね。あのマークは……PMCです。PMCがY国部隊を援護する形でX国に攻撃している模様!」
PMCーー民間軍事会社がこの紛争の勢いを盛り返している。彼らはY国だけに肩入れすることでX国をけん制し、戦いを延長させようとしているのだ。
マクスウェル中佐は少しの間沈黙すると、俺に向かって指示を出した。
「スワンズ少尉、パイロットスーツを着て出撃準備だ」
俺は思わず中佐の方を振り返った。彼は俺の目をジッと見ていた。
「中佐、この部隊は非武装なのでは」
「通常は、と言っただろう。無防備で不安定な地に降りるほど、我々は自殺願望ではない。デッキに急げ。操舵はチェン曹長がやってくれる」
「了解しました、中佐」
俺は敬礼し、その場をチェン曹長に任せて管制室を出る。そういえば、この艦の内部を全く歩いたことがなかった。どこにMSを積んでいるんだ。
そのとき、曲がり角からマックス中尉とファルコ・ケイリー少尉が飛び出してきた。マックス中尉が俺に声をかける。
「MSデッキはあっちだ。行くぞ!」
「中尉はMSを見たのですか?」
「ああ、見たよ。3機きっかり積んでる」
やがて俺たちは広々としたMSデッキに到着する。そこではメカニックマンたちが忙しそうに期待のメンテを行なっていた。
俺は1番後ろの3番機の元へ向かう。それから自分が今から乗る機体を見て、思わず息を飲んだ。
「……アヘッドの発展型?」
俺の呟きに、近くにいた若いメカニックマンが答える。
「連邦軍が次期主力機として開発したんだ。機体名『ノーヘッド』。性能は確かだから安心してよ」
俺はメカニックマンの言葉に頷き、機体に乗り込む。今は彼のうんちくを聞いている場合ではない。
足元の鉄骨が開いて、出撃準備に入る。その途端、輸送艦が大きく揺さぶられた。敵の攻撃を受けたのだ。
マクスウェル中佐の声がヘルメットに響く。
『現地にて敵の攻撃を確認。これより我々は自衛行為としての戦闘を開始する』
やはり、俺の戦場は現地になるらしい。頭の中が不思議と冴えていくのを感じる。MSパイロットとしての意識が形成されているのだ。
「3番機、システムオールグリーン。出撃します」
『初操作とはいえ、期待してるよ。スワンズ少尉』
メカニックマンがグーサインを出しながらこちらを見ていた。
GNドライヴが安定して起動したのと同時に、機体各部の固定パーツが外される。俺は他の2機に続き輸送艦から出撃した。
続
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