暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第147話「木曽三川の龍神」
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
出来ない。
 ならば、何とか耐え抜き、次で倒すしかない。
 ヴィータとシグナムもそう考え、防御魔法を張る。

「……何とか、威力を弱めてみます」

 シャマルもまた、拘束や障壁で威力を減らそうと試みる。
 ちなみに、かつてなのはのリンカーコアを狙い撃ちした旅の鏡による、内部からの攻撃も試みたが、龍神の体に込められた濃密な霊力によって無効化されていた。

「――――――――――」

   ―――“四刻八刻十二刻(しこくはちこくじゅうにこく)

 まるで“終わりだ”と言わんばかりに、声にならないような唸り声を上げる龍神。
 そして、先程までとは比べ物にならない水の奔流が繰り出される。

「ッ―――!?」

 それは、まさに意思を持った水のようだった。
 眼前の物を邪魔だと言わんばかりに、まるで棘のように鋭く、大岩のように重く迫る。
 それを見て、防御していたシャマルは悟ってしまう。
 “これは、耐えられない”と。

 ……だが、忘れてはならない。

「ぬ、ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 ……今や名に恥じぬ力を持つ、“盾の守護獣()”がいる事を。

   ―――“魔纏錐穿波(まてんすいせんは)

 先程まで身体強化に使っていた魔力を、高密度の円錐状に放つ。
 高密度となった魔力は、龍神の霊力に削られる事なく、展開される。
 また、円錐状に放たれた事により、水の奔流を穿つように防いだ。

「す、すげぇ……」

「あれを、防ぐか……」

 明らかに防げないと思われた攻撃をたった一人で防いだ事に、ザフィーラを良く知るはずのヴィータとシグナムは開いた口が塞がらなかった。……むしろ、良く知っていたからこその驚きだったのかもしれない。

『はやてちゃん!!』

「っ、アインス!」

「はい!」

「「打ち砕け極光、全てを破壊し尽せ!」」

   ―――“Mj?llnir(ミョルニル)

 ザフィーラが防いでくれたのを見逃さず、再び二筋の極光が龍神を呑み込んだ。
 そして、その極光が晴れた所には……。

「……………」

     ズゥウウン……

 力なく地に伏す木曽龍神の姿があった。

「……やったのか?」

「……多分な」

 身動きをしなくなった龍神を見ても、気が抜けないはやて達。
 あれ程の魔法を一度は耐えたのだ。そう思うのも無理はない。

「とりあえず、倒した事を報告して、門を閉じて貰わないと……」

「……そうやな」

 シャマルの言葉にはやてが頷き、アインスがそれに応えるように念話をする。
 その間に、ヴィータは攻撃を見事に防いだザフィーラに称賛を送ろうと近づく。

「それにして
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ