第5章:幽世と魔導師
第147話「木曽三川の龍神」
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出来ない。
ならば、何とか耐え抜き、次で倒すしかない。
ヴィータとシグナムもそう考え、防御魔法を張る。
「……何とか、威力を弱めてみます」
シャマルもまた、拘束や障壁で威力を減らそうと試みる。
ちなみに、かつてなのはのリンカーコアを狙い撃ちした旅の鏡による、内部からの攻撃も試みたが、龍神の体に込められた濃密な霊力によって無効化されていた。
「――――――――――」
―――“四刻八刻十二刻”
まるで“終わりだ”と言わんばかりに、声にならないような唸り声を上げる龍神。
そして、先程までとは比べ物にならない水の奔流が繰り出される。
「ッ―――!?」
それは、まさに意思を持った水のようだった。
眼前の物を邪魔だと言わんばかりに、まるで棘のように鋭く、大岩のように重く迫る。
それを見て、防御していたシャマルは悟ってしまう。
“これは、耐えられない”と。
……だが、忘れてはならない。
「ぬ、ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
……今や名に恥じぬ力を持つ、“盾の守護獣”がいる事を。
―――“魔纏錐穿波”
先程まで身体強化に使っていた魔力を、高密度の円錐状に放つ。
高密度となった魔力は、龍神の霊力に削られる事なく、展開される。
また、円錐状に放たれた事により、水の奔流を穿つように防いだ。
「す、すげぇ……」
「あれを、防ぐか……」
明らかに防げないと思われた攻撃をたった一人で防いだ事に、ザフィーラを良く知るはずのヴィータとシグナムは開いた口が塞がらなかった。……むしろ、良く知っていたからこその驚きだったのかもしれない。
『はやてちゃん!!』
「っ、アインス!」
「はい!」
「「打ち砕け極光、全てを破壊し尽せ!」」
―――“Mj?llnir”
ザフィーラが防いでくれたのを見逃さず、再び二筋の極光が龍神を呑み込んだ。
そして、その極光が晴れた所には……。
「……………」
ズゥウウン……
力なく地に伏す木曽龍神の姿があった。
「……やったのか?」
「……多分な」
身動きをしなくなった龍神を見ても、気が抜けないはやて達。
あれ程の魔法を一度は耐えたのだ。そう思うのも無理はない。
「とりあえず、倒した事を報告して、門を閉じて貰わないと……」
「……そうやな」
シャマルの言葉にはやてが頷き、アインスがそれに応えるように念話をする。
その間に、ヴィータは攻撃を見事に防いだザフィーラに称賛を送ろうと近づく。
「それにして
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