第5章:幽世と魔導師
第147話「木曽三川の龍神」
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つつ、攻撃手段を削ぐように腕を斬り続けた。
「っ……!ダメ、私だけだと、足止めも出来ないわ」
「そうか。……だが、何かしら動きに違いはあるだろう?」
「ええ。一瞬だけ、拘束を破るために力を入れるのか、動きが止まるわ」
「なら、無駄ではない。続けてくれ。その間に、私と主で攻撃する」
シャマルが何度も拘束を試み、アインスとはやては長距離砲撃を狙う。
「オオオオオオオオオオオオ!!」
「ッ!散れ!!」
―――“大尾撃”
砲撃魔法を何度か撃ち込んだ時、木曽龍神が吼える。
そして、咄嗟に前衛三人は散らばるように離れる。
また、はやて達後衛組も上空に逃げる。
……その瞬間、寸前までいた場所を尾が薙ぎ払った。
「ちょ、直撃したくねぇな……アレ……」
「見ろ、尾が当たった木が枯れている。……ただ強力なだけじゃないらしい」
攻撃後の惨状を見て、ヴィータが呟き、シグナムが冷や汗を垂らす。
「……予備動作がわかるだけ、マシって状態やな……」
「あの巨体で、攻撃速度は中々なものです。……時には、回避が困難になるかもしれません。退き際を見極めて行動しないといけません」
「昔の陰陽師たちは、こんなん相手にしてたって事やろ?……よぉ倒せたなぁ……」
陰陽師ははやて達と違って空を飛べなかった。
その事も含めて、昔はどうやって倒していたのか気になるはやてだった。
「……援護するように砲撃しても意味ないな。目を付けられるのも承知で、大火力を叩き込んだ方が良さそうや」
「そうですね。幸い、あの鱗は極端に丈夫と言う訳ではありません。ただ火力が高いだけの魔法でも、通じるようです」
「となると、叩き込むのは火力重視の魔法やな。えっと……」
夜天の書に記録される魔法を探るはやて。
「……やっぱり、なのはちゃんの魔法が一番か?」
「……いえ、あれは魔力を集束させるからこその魔法です。魔力を使わない相手なら、別の魔法が得策です」
「アインスも放つからなぁ……」
攻撃を避けつつカウンターを少しずつ叩き込む前衛三人を視界に入れながら、どの魔法がいいか探すはやて。早めに決めるべきだが、如何せん種類が多すぎた。
「……主、一つ、適した魔法があります」
「なんや?」
「この“ミョルニル”と言う魔法です。夜天の書に記録される魔法の中でも、一番の火力を誇ります。……ただし、燃費が悪く反動もありますが」
夜天の書をあるページで止め、アインスがそこに書かれている魔法を指す。
それは、かつて優輝がアンラ・マンユの攻撃を相殺するのに使った魔法。
その魔法は古代ベルカの中でも屈指の威力を誇っていた。
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