第5章:幽世と魔導師
第147話「木曽三川の龍神」
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る体を鼓舞するように、はやては声を発する。
しかし、それでも体は思うように動かない。
当然と言えば当然である。はやては今の面子の中では最も経験が浅い。
強大な存在と相対する機会など、ほとんどなかったからだ。
……だが、その代わりに動いたものがいた。
―――“魔纏闘”
「ぬぅううおおおおおおおおおお!!」
宙を飛ぶ木曽龍神の真下。
いつの間にかそこへ潜り込んでいたザフィーラが、渾身の一撃を叩き込む。
「ザフィーラ!?」
「チィ……!この程度では、びくともしないか……!」
はやてを庇い、吹き飛ばされたはずのザフィーラ。
木曽龍神の巨体の一撃は、大ダメージのはずだが、そんな事は知らないとばかりに、ザフィーラは戦線に戻ってきていた。
「っ、避けろザフィーラ!」
「くっ、“鋼の軛”!」
繰り出された一撃は、怯ませこそしないものの、ダメージを与えていた。
よって、木曽龍神も尾による反撃を繰り出した。
シグナムの声にザフィーラは上に跳び、置き土産に鋼の軛を放つ。
……が、それはあっさり砕かれ、無意味に終わる。
「……強度が足りぬか…。だが、通用しない訳ではないな……」
しかし、ザフィーラはそれ見て無意味ではないと判断する。
なぜなら、鋼の軛が命中した箇所の鱗が若干凹んでいたからだ。
「だ、大丈夫なんかザフィーラ……」
「はい。ギリギリ防御が間に合いました……ダメージは確かにありますが、戦闘に支障はありません」
間合いを取ったザフィーラへ、はやてが駆け寄り、心配する。
防御や吹き飛ばされた際の着地に使った手足は傷ついていたが、そこまで深い訳ではなく、ザフィーラの言う通り支障はなかった。
「っ、主、失礼!」
「え、ちょっ!?」
「ふん!」
ザフィーラははやてを片手で抱きかかえ、空いた片手を振るう。
正拳突きのように放たれた拳から、魔力の衝撃波が発生する。
それは、二人へ迫っていた木曽龍神へと命中する。
また、その反動で飛ぶ事で木曽龍神が放っていた爪の一撃も回避していた。
「主よ。どうか我らを信じて後方へお下がりください」
「で、でも……」
「我らは守護騎士。主を守れなければ意味がありません。……心配せずとも、我らヴォルケンリッター、そう簡単には負けません」
さらに距離を取ったザフィーラは、そこではやてを放す。
そして、すぐに前線へと戻った。
「……そうであろう。シグナム、ヴィータ」
「ああ」
「そーだな。あたしらははやての騎士だ。こんな図体のでけーだけの龍に、負ける訳にはいかねーよな!」
気合を入れ直したヴィータとシグナムが、そんなザフィーラ
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