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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第九話 それぞれの昼餉
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いのが教えられない、教えたら教えたで変に思われるし
暗殺の黒幕も未だに解らないし、下手に爪を出すわけにはいかないんだよね。
こまったもんだ。
相談できるブレインが欲しい今日この頃。
グリンメルスハウゼン爺さんに早く会いたいのに機会が全くない何とかしてくれーー!

帝国暦477年 7月7日  昼

■オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸    フリードリヒ4世

 本日テレーゼが、新しき寵姫アンネローゼとその弟に会ってみたいと言われたために場を設けることにした。
わしは、娘には弱い父親なのでついついテレーゼに甘くしてしまう。
アンネローゼの弟に会うのは初めてじゃったが、あやつに会った時心地よさを感じてしまった、
あの目あの表情、普段皇帝たるわしに媚び諂い裏では罵っている者たちと違う
わしを恨み憎む目がはっきりとわかった。
あの者こそわしの長きに渡る鬱積とした心を流してくれるのではないか。
あやつは、わしの願いをかなえてくれるであろうか。
だがテレーゼとシュザンナを巻き込みたくはないものじゃ。

テレーゼも何か感じたのか、あの者に挑発的な態度で臨んでいたの、
普段のテレーゼとは何か違うテレーゼを見たようじゃ。
テレーゼ自体はシュザンナのまねをしたと言っておるが、
あれはわしと同じかも知れん、50年間周りを謀り続けたわしのように。
テレーゼがそうであれば、また違うやり方もできるやも知れん、
グリンメルスハウゼンに相談してみるか。

帝国暦477年 7月7日  昼

■オーディン ノイエ・サンスーシ ベーネミュンデ侯爵邸   シュザンナ・フォン・ベーネミュンデ

 本日テレーゼが憎っくき女を見に行くという。
そんな女見に行く必要がないと言ったが、『お父様を連れてくるし泥棒猫を見てきます』と
健気なことを言ってくれたので送り出すことにした。

昼餉の用意をさせ待っていると、テレーゼが陛下をお連れしてくれた、
玄関へ迎えた時テレーゼとにこやかに手を繋ぎながら馬車から降りてくる姿を見たとき
今までの鬱積した気持ちが消えていく気がした。

けれども少しは陛下に怨みの一つも差し上げようと、
『新しい寵姫の寝心地はどうですか』いってあげましたわ。
陛下は慌てて『テレーゼが嫌がったから、まだじゃ、元々国務尚書等が勧めてきたので仕方なくな』
まあ寵姫のもとへ行くのも仕事のうちですから、そこのところは納得してあまり行き過ぎないように、
『若い寵姫を求めるのは仕方がない事ですがテレーゼの為にも館への行脚は出来る限りお願い申し上げます』と釘を刺しておきました。

 今日のこともテレーゼが私のことを思いやってくれたこと、
本当にこの子は健気で可愛いのでしょう、
ずっとずっと守りますか
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