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ドリトル先生と奈良の三山
第八幕その九

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 三山を観て回りました、すると今度はこのことに気付きました。
「言われていた通りだったね」
「っていうと?」
「どうしたの?」
「うん、三山の位置はね」
 今度はこちらのお和でした。
「二等辺三角形になってるね」
「あれっ、そうだったの」
「適当な場所にあるんじゃなくて」
「その形になる様に置かれているの」
「そうなの」
「そうなんだ。あと畝傍山は元は今の二倍位大きさだったとも言われているね」
 そうもというのです、
「そうした説もあるしね」
「その配置がなのね」
「二等辺三角形で」
「このこともなのね」
「気になるのね」
「こうした配置に自然になるか」
 それはどうかといいますと。
「ちょっとね」
「ないよね」
「普通はね」
「三つの山の配置が自然と二等辺三角形になるか」
「それも盆地の中で」
「そう考えたら」
「ないね、それにね」
 さらに考える先生でした、今はその三山をそれぞれ見渡せる場所にいます。
「その配置に置いたなら」
「どうして二等辺三角形か」
「それも謎ね」
「どうしてその配置にしたのか」
「古墳達を」
「何か意味があるのかな」
 首を傾げさせつつ言う先生でした。
「出来たのは四世紀以前っていうけれどね」
「じゃあ山の地質調べてみる?」
「植物とかも」
「そうしてみる?」
「今度は」
「うん、そうだね」
 先生は皆のアドバイスに頷きました。
「それじゃあね」
「うん、是非ね」
「そうしようね」
「今日はもう遅いけれど」
「明日はね」
「そうしよう」
 こうしてでした、先生は明日は三山の地質や植物を調べることにしました。この辺り理系の学問にも強い先生ならではです。
「明日はね、けれどね」
「それでもなのね」
「どうしてもわからないことがある」
「どうしても」
「うん、何で二等辺三角形なのか」
 三山の配置がです。
「それはね」
「何か意味があるのよね」
「やっぱり」
「そうよね」
「何も意味がないとはね」
「考えられないわね」
「宗教的な理由かな」
 先生はこう考えました。
「神道のね」
「当時の神道の」
「そちらの」
「そうじゃないかな」
 こう考えるのでした。
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