第3章
月光校庭のエクスカリバー
第26話 不穏な気配再びです!
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秋は顔を真っ赤にさせて、副部長から写真を奪い取ろうとする。
その写真は千秋がイッセーに結構ベッタリしていたころのものだからな。当然、数あるツーショットの中でも一番ベッタリしている。いまの千秋からすれば、いろいろと恥ずかしい写真だった。
「・・・・・・鶫先輩、このころからもうすでに大きいのですね・・・・・・・・・・・・寝る子は育つ」
塔城が鶫の幼いころの写真を見てブツブツと呟いていた。確かに鶫は初めて会ったときから俺たちの身長を優に越していた。小柄な体型を気にしているふしがある塔城にとってはいろいろとうらやましいんだろうな。
ちなみにイッセーが鶫と話すときに敬語混じりなのは、その身長から年上だと勘違いしたからだったりする。
「この写真、燕ちゃんがなんか明日夏くんに突っかかってるね?」
木場が見ている写真には、小学校のころの俺が笑みを浮かべていて、そんな俺に小学校のころの燕が顔を赤くして突っかかっていた。
「あー、それはアレだよ、木場」
「アレって、イッセーくん、もしかして?」
「そういうことだよ」
「明日夏くんって、このころから燕ちゃんをいじってたんだね」
木場の言うとおり、俺はわりと昔から燕のことをいじってたりする。主にイッセーのことで。
「・・・・・・思い出したら腹が立ってきたわ・・・・・・!」
当時のことを思い出したのか、燕が憎々しげに俺のことを睨んできた。
そんなこんなで、部長たちはイッセーや俺たちの写真を気恥ずかしさを覚える俺たちをよそに堪能しまくっていた。
ちなみに、鶫と燕は俺たちが小学校に上がる前のころと中学のころの写真を興味深そうに見ていた。そのときは、鶫と燕とは出会う前とこの町を去ったあとのころの写真だから気になるのだろう。
「ね〜、イッセーくん」
すると、写真を見てた鶫が唐突にイッセーを呼ぶ。
「はい、なんですか?」
「この猫ちゃんは?」
鶫が一枚の写真を指差しながらイッセーに訊いてきた。
鶫が指差す写真には、中学生のイッセーとそのイッセーに抱き抱えられてる一匹の子猫が写っていた。
「イッセー。あなた猫を飼っていたの?」
「ああいえ、その子猫、迷子猫で一時期明日夏の家で面倒を見てたんですよ」
「もう持ち主のところに帰っちゃいましたけどね」
部長の問いにそう答えるイッセーと俺。
その話題はそれで終了し、再び幼い俺たちの写真で皆盛り上がり始めた。
「・・・・・・しかし、昔のアルバムでここまで盛り上がるとはな」
「・・・・・・まったくだぜ」
若干うんざり気に話す俺とイッセーに木場がアルバムを手に話しかけてくる。
「ハハハ。僕たちの知らないイッセーくんたちを楽しむことができるからね。僕も堪能させ
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