ペルソナ3
1978話
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結局タカヤは、俺がここで見張っているということになった。
美鶴にしても、先程の反応からタカヤを武治の下に連れていくのは不味いと思ったのだろうし、同時に俺がいればタカヤが妙な真似をするとは思えなかったし、同時に俺がここに残ればルキアを使って戦闘している者をフォローする山岸の護衛に丁度いいという思いもあったのだろう。
そんな訳で、俺はこうして山岸とタカヤの2人、そして取りあえずこっちに残した子猫の炎獣と共に、広い空間にいた。
「言っておくが、妙な真似はするなよ。その炎獣は、見た目は可愛いけど、純粋に戦闘力も高いからな」
実際、炎獣は数を揃えればという前提ではあるが。MSですら倒す事が可能だ。
幾らペルソナを使えるとはいえ、ただの人間――ペルソナ使いをそう呼んでもいいのかは微妙だが――が炎獣を相手に何が出来る訳でもない。
「分かりました。では、私はここで大人しく待っているとしましょう」
タカヤはその言葉通り、大人しく俺から距離を取ると地面に座り込む。
この汚い床に座れば間違いなく汚れるのだろうが、本人は全く気にした様子もない。
まぁ、そういう性格をしていると思えば、そうなんだろうが。
そんなタカヤを一瞥すると、戦闘している連中と何かを話している山岸を見る。
正直なところ、ここに俺とタカヤ、山岸というメンバーを残されても、いったいどういう会話をしたらいいのやら。
まさか、この3人で愉快に話し合え……なんて事は、考えてないよな?
美鶴は時々妙な方向にぶっとんだりするから、もしかしたら……本当にもしかしたら、そんな風に思ってしまっても、仕方がない、か?
いや、ないない。まさか、幾ら何でも美鶴がそんな風に思うことはない筈だ。うん、多分。
ふと思いついたその内容を忘れるように、俺は空間倉庫の中からペットボトルに入った紅茶を取り出して口を付ける。
喉を潤す冷たい紅茶の味に満足していると、ふとタカヤが俺の方を見ているのに気が付く。
「どうした?」
「いえ、その飲み物……一体、どこから取り出したのかと思いましてね。先程の槍もそうでしたが、それが貴方の能力なのですか?」
「さて、どうだろうな。もしかしたらそういう効果のあるマジックアイテムを持っているのかもしれないぞ?」
「……貴方が言っていた、力。それは一体どのようなものなのか、お聞きしても?」
タカヤはこの機会に少しでも情報収集をしようというところか。
いや、その気持ちは分からないではない。
俺以外の面々は、ペルソナ使いという事でその能力もどのようなものなのかは大体想像が出来る筈だ。
勿論コロマルのように犬のペルソナ使いだったり、有里のように様々なペルソナを好き放題に使えるペルソナチェンジの能力を持っているというのは、予
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