第83話 無邪気な子供は時々残酷な事を楽しむ事もある その2
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こたぁねぇだろうが。寧ろ、お前や先生が居てくれたから俺はこうして人並みの生き方が出来るんだ。それになぁ・・・俺、一応父親やってる身だしさ」
「お父さんかぁ、良いなぁ・・・私も抱いてみたかったな。銀時の子供を―――」
「あのなぁ、俺の子供っつったって血の繋がりの全くない関係だから本当の親子って訳じゃ―――」
恥ずかしそうに言い訳を並べてた銀時だが、途中で紅夜叉の気配がなくなった事に気づき、言葉を切った。
既に、近くに彼女の気配は感じられなくなり、今はこの一面白一色の世界に自分一人しかいない。
更に言えば、徐々にだが、周囲から眩い光が辺りを照らしだしてるのが感じられた。
恐らく、元の場所にある自分の肉体が目を覚まそうとしているのだろう。
となれば、この場所にこれ以上居続ける事は出来ない事になる。
(紅夜叉、お前は死んじまった今でもまだ、俺達の事を見守り続けてるんだな。お前のお節介は死んでも治らないって訳か)
無造作に頭を掻きむしりながら銀時は前を見る。固い信念を持った鋭く真っすぐな目を閃光の先へと突き付けた。
(もう少しだけ待っててくれや。お前に掛かった呪い。必ず解いてやる。そして、お前を必ず自由にしてやる。それが、俺がお前に出来る唯一の恩返しだ)
心の内に固く決意をしつつ、銀時は自身を呪っているであろう白夜に手を掛けた。
もし、これから先この刀に食われるのが運命だと言うのならば抗ってやる。
抗って抗って、抗い抜いて、ドブネズミの如くしぶとく生き抜いてみせる。そして、この忌まわしき呪いを必ず打ち砕いてみせる。
それを成し遂げた後には、お節介好きな彼女の為に小さな墓標でも建ててやるとしよう。
覚えてればの話だけれどね。
なんてことを考える銀時の意識は、白色光の彼方へと溶け込んでいった。
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