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駄目親父としっかり娘の珍道中
第83話 無邪気な子供は時々残酷な事を楽しむ事もある その2
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れこそ運営にバンされるかも知れねぇ! だから頼む! そう言うのはR18のタグがついてるとこで、な!」
「さっきから何言ってるの? 片腕のままじゃ不便かなって思ったから、治そうとしたんだけど―――」
「・・・・・・ゑ!?―――」

 どうやら銀時の腕の治療をしようとしたようだ。そうとは知らず何やら破廉恥な事を想像してしまった銀時は一人、頬を真っ赤に染めてしまっていた。

「それで、〇〇〇〇って何?」
「言うな、頼むから忘れてくれ! 300円あげるから」
「まぁ、それはまた今度教えてね。と―――」

 そっと、紅夜叉の手が離れる。
 右手に感覚が戻った!
 見れば、さっきまで肩からなくなっていた筈の右腕が元通りになっている。
 流石に衣服までは元通りにはならなかったようだが、それでも腕が元通りになったのは有難い事だ。

「助かったぜ、紅夜叉。やっぱ片腕だと不便だからな。ジャンプとか読み辛ぇし」
「銀時、他に困る事ってないの?」
「まぁ、あるだろうけどさ。俺にとっちゃジャンプ読めないってのは死活問題なんだよ」

 何とも程度の低い死活問題のようで。
 それには流石の紅夜叉もため息が出てしまった。

「なんだか、少しだけ安心したなぁ。銀時は前とあんまり変わってなくて」
「おいおい、俺だってちったぁ変わったつもりだぞ? 前よりも瞳に光が入るようになっただろうし、髪だって前より艶が出てるつもりだし」
「銀時、こんな事をお願いするのは変かもしれないんだけど―――」

 言いながら、銀時の両手を掴んで来る紅夜叉を前に銀時は言葉をそっと仕舞った。
 真剣な眼差しで自分を見る彼女の目を銀時はただじっと見た。

「あの子の事・・・守ってあげてね」
「あの子・・・それって、なのはの事か?」
「うん、あの子は・・・私のせいで運命を捻じ曲げられた子。これから先、きっと多くの苦難や困難にぶつかる事になる。きっと、それはあの子一人じゃ越えられない位に辛く苦しい物になるかも知れない。それに立ち向かうには、あの子はまだ幼い。だから、あの子の支えになってあげて欲しいの」
「随分とあいつの事を気にするんだな。名前や顔が似てるからか?」
「今はまだ言えない。でも、何時か必ず言う。だから、お願い! あの子を守ってあげて」

 そう言って彼女は深く頭を下げた。銀時の両手を握る彼女の手に力が込められる。
 それだけ彼女が必至に懇願していると言うのが銀時にも分かった。
 ふと、銀時は思い出していた。
 幼き頃、戦場で骸を漁り、その日暮らしをしていた正に悪鬼だった頃の自分と、その時分を変える切欠となった二人の存在を―――

「任せろ。お前の頼み・・・この俺がしっかりと聞いてやるよ」
「有難う・・・それと、ごめんなさい」
「謝る
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