第83話 無邪気な子供は時々残酷な事を楽しむ事もある その2
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ら北〇場をフルコーラスで歌ってやれたのに・・・って、何だよこの選曲わよぉ!)
自分で自分にツッコミを入れると言うなんとも空しい事をし始める銀時。側から見たら無言で眠っているようにしか見えない。だって一言も発してないのだから―――
「残念だな。銀時の声・・・久しぶりに聞きたかったのにな」
(!!!!!)
気配の主の声が聞こえた。その声を聞いた銀時は正にギョッとなった。
その声には聞き覚えがあるからだ。聞き覚えがあるからこそ、銀時はギョッとなった。
何故なら、その声の主は―――
(き、気のせいだよなぁ。気のせい・・・だよねぇ? 気のせいさ、そう気のせいなんだよ! 絶対に気のせいだ、そうだその通りだ!)
「さっきから何言ってるの? 気のせいとか連呼してるみたいだけど、何かあったの?」
(聞こえない聞こえない! 俺は何も聞いてないし何も感じ取ってない!)
「・・・・・・」
必死に脳内で抗議をする銀時。どうやら気配の主は脳内で会話が可能なのだからこうやって抗議しても何ら問題はないだろう。
絵的には大問題なのだがこれは小説だし問題はないだろうし。
そんな銀時を気配の主は無言でただその場に立っていた。いや、座っているのかも知れないし、もしかしたら同じように寝ているのかも知れない。
そんな疑念を抱く銀時の額に気配の主の手が触れる。
触れられた額を中心にしてまるで水面の波紋が広がるかのように銀時の体を何やら不思議な感覚が駆け巡っていくのを感じた。
さっきまでの瞼の重さが感じられなくなった―――
「・・・・・・」
ゆっくりと目を開く。長い時間閉じていた為か視界がぼやけ気味だったが数度瞬きをすれば元に戻る程度の具合だ。
視界を良好に戻し、周囲を見渡し、そして声の主を見入った。
「久しぶりだね、銀時」
「・・・お前は―――」
言葉を失った。目の前に居たのは一人の女性だった。
年はパッと見て二十歳前後位だろうか。
栗色の長い髪を後ろに束ねて、赤色を基調とした陣羽織を羽織ったその女性が、仰向けになって寝ている銀時を優しそうに見下ろしていた。
その女性に銀時は見覚えがあった。
あったからこそ、銀時は困惑した。
居る筈がない―――
会える筈がない―――
何故なら、彼女は―――
「お前が居るって事は・・・俺はもう死んだって事なのか? なの―――」
言葉の途中で、銀時の口を女性の指が遮った。思わず口が閉じた銀時の前で、女性はゆっくりと首を数度横に振った。
「その名前はもう、私のじゃない。それに、私はもうその名を捨てたからもうその名では呼ばないでね」
「そうか、悪かったよ・・・紅夜叉」
少し寂しいような、そんな気持ちをしつつも、銀時は
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