第二章
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「錆びて使いものにならなくなったさ」
「平和になったから」
「もうな、後は死ぬまで飲むだけさ」
「その時まで」
「最後の審判で神様に何と言われるかは知らないがね」
だがこのことも今の彼にはどうでもいいことになっていた、今のアルフレドは酒を飲むだけの男だった。
若者はその彼の今の姿に落胆した、しかし。
若者はあえてだ、彼に言った。
「平和な中でも何か目的があれば」
「それならかい?」
「されてみれは」
「ははは、だから飲んでいるんだよ」
こう言ってまた飲んだ。
「今の様にね」
「じゃあ」
「今日は君と飲むか」
ここからは多くは語らずにだった、そのうえで。
アルフレドは飲み続けた、それはこの日だけでなく。
来る日も来る日もそうした、しかし。
その彼のところに若者はまた来てだ、この日はこう話した。
「スポーツはお好きですか?」
「スポーツかい?」
「はい、何かされますか?」
「傭兵の時はトレーニングをしていたがね」
アルフレドは若者に今も飲みつつ応えた、今飲んでいる酒はブランデーでやはりロックで楽しんでいる。
「今は何もだよ」
「そうですか」
「ああ、全くしていないよ」
「ゴルフはどうでしょうか」
「ゴルフ?」
「今は地球人だけでなくアンジュもステランも楽しんでいます」
三つの種族全てでというのだ。
「そうしていますが」
「ゴルフねえ」
「アルフレドさんはイギリス生まれですし」
「ゴルフはイギリス発祥だね」
「ですから余計にです」
「ゴルフはどうかとだね」
「思いますが」
こう彼に言うのだった。
「どうでしょうか」
「したことはないよ」
「あれっ、ワンホールショットは」
「射撃のことだよ」
ワンホールショットはワンホールショットでもだ、そちらのことだというのだ。
「そちらのだよ」
「そうでしたか」
「そうさ。私はあくまでね」
「射撃ばかりでしたか」
「その射撃もしていないんだ」
「もう銃もですね」
「全部錆びているよ」
前に話した通りにというのだ。
「そうなってるしね」
「そうですね、ですが」
「ゴルフをだね」
「一度。見られるだけでもいいですから」
若者はアルフレドが酒浸りになっている、かつての英雄がそうなっていることが忍びなくそれで彼にさらに勧めた。
「どうでしょうか」
「君も言うね」
「怒られました?」
「怒らないさ、しかしね」
「ゴルフにはですか」
「私は興味がないんだよ、ただね」
アルフレドはブランデーを飲みつつ若者に話した、今も飲んでいるその酒を若者にも出している。今のあてはチョコバーだ。
「まあテレビでね」
「御覧になられますか」
「君の言葉を聞かせてもらうよ」
彼の言葉が強いからだ、
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