荒れ狂う戦場
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。そうしなければ・・・死ぬことになるぞ」
上着を脱ぎ捨て身を軽くする天海。本気モードの相手にレオンは全力で答えることを決意する。
「いいだろう。その挑戦・・・受けて立つ」
最大限に魔力を高めていくレオン。両者ともにその場から動かない。わずかな隙もなくし、如何なる攻撃にも対処するためだ。
((この勝負・・・先に動いた方が負ける))
緊張の糸に耐えきれなくなった方が破れることは目に見えていた。喧騒で慌ただしい戦場の中心で、二人のにらみ合いは続いた。
「天神の北風!!」
その頃レオンの幼馴染みであるシェリアは彼の分まで敵を凪ぎ払っていた。黒い風を小さな体から生み出し、アルバレスの兵隊たちを次から次へと蹴散らしていく。
「なんだこのチビ!!」
「やるじゃねーか!!」
昨日同様に押され気味のアルバレス軍。シェリアは戦力の差を補うためにと間髪置かずに攻撃を放っていく。
「天神の・・・」
黒い風を纏った右手を振るおうとした少女。しかしその時、彼女の服の一部が破れた。
「え!?」
何が起きているのかわからず困惑するシェリア。その理由は金色の髪をしたアルバレス軍の幹部にあった。
「ディマリア様」
「こいつは私がもらうわ」
兵の後ろから現れた彼女がシェリアの服を切り裂いたのだった。
「いやっ!!やだ!!」
みるみる切り裂かれていくシェリアの服。彼女は必死に胸元を隠すが、瞬く間に上半身が露になってしまった。
「そういう顔の女の子大好き?昨日のコみたいに遊んであげる・・・と言いたいけど、今日は違うの。あんた回復役でしょ?めんどくさいから、死んでくれる?」
昨日のカグラに対する目とは異なり真剣そのものと化したディマリアの目。彼女は動きが制限されているシェリアに向かって剣を振り抜こうとした。
「!!」
ちょうどその時、レオンと天海の戦いにも動きが起きた。何事にも動じずにいたレオンの体がピクリと動いたのだ。彼はそれを誤魔化すためか、天海に向かって一直線に走り出す。
(仲間がやられそうになって焦ったのか)
シェリアがやられそうになったタイミングでの動きだし。彼女が殺されそうになり焦った少年は反応してしまい、突っ込んで来ざるを得なくなった。そう思っていた。
(やはりあいつとはどこか違う。未熟なところが・・・!!)
こちらに向かってくる少年の首を刈り取ろうとしたその時、天海はあることに気が付いた。出しかけた手を引っ込めその場から懸命に後方に下がる。その結果・・・
「氷神の握撃!!」
「水竜の鉄拳!!」
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